はい。弊社のことです。私は今はペーペーの総合職ですが次の職階は管理職という立場で世間的には課長と言われるポジションになります。
(実際はもう少し細かいレベルの昇進を経てから課長)
課長クラスになるといったいどのくらい給料が上がるのか入社以来非常に気になっていたことであります。私はプレイヤーとして働くほうが性に合っているので給料が上がらないのであれば正直一生ペーペーでいたいのですが,給料は劇的に上がるのであれば業務のミスマッチは目をつぶっても頑張る価値があるかなと思っていました。
ちなみに私が管理職に向いていないと思うのは以下のような性質があるためです。
・人望がない(特に年上だが私より職階が低い人)
・休日は休みたい
周りの管理職の人を見ているとやはりデスクワークや資料作成が多いですし,年上の部下を持って頼みずらいことを頼んだり,休日出勤をしているイメージがあります。
そのため管理職になる上で私の上記の性質ははっきり言って致命傷と言っていいと思います。
別に特に出世を望んでいませんし年下社員の部下になっても全然かまわないのですが,人事面談の度に上を目指すよう言われており,その圧力は年々高まっています。
現行のシステムではいくつかのセミナーを受けないと上に行けないシステムとなっており,多忙を理由にそのセミナーを受けないことで抵抗しています。あと数年はこれでしのげそうですが,セミナーは受けようと思えばすぐにでも受けられてしまう性質のためいつまでも通用する方法ではありません。
ちなみに希望すればすぐに課長になれるみたいな感じで書いていますが,もちろんそんなことはないです。しかし,現在の職階上「バリバリ働いて課長を目指すんだぞ!」という圧力を(全員)受けており,また,よほどのやばい人でない限り【職階上は】ほぼ全員課長に上がることができる会社になっています。
課長になった場合の給料
さて本題です。仕事なので好き嫌いは言ってられませんが,少なくとも気持ちの上では労使対等でありたいと思っています。こちらは労働を提供する代わりに会社は賃金を払うので会社が適切な賃金を払わないのであれば抵抗する必要があります。
今の職階の給料は比較的簡単に見積もることができるのですが,課長以上の給料については完全に非公開であり,調査困難です。しかし,私も入社6年目のため課長クラスの人やなりたての人の中には懇意にしている人の話を聞く機会もあります。それでもほとんどの人が教えてくれなかったのですが,3人だけ教えてくれました(それでも具体的な額は秘密だった)。N=3ですが,全員の共通する回答として,
総合職の時より給料が下がるらしいです。がーん。
給料が下がる理由ですが,①残業代が出ない②休日出勤しても手当がない③出張手当がないというのが主な理由だそうです。もう本当に課長になりたくないです。
課長になるか課長を目指せという圧力に耐えるか。究極の2択です。
大企業のパラドックス
そもそも現時点の人員構成的にも弊社での管理職は一般職に対して多いので「なんでそんなに管理職を増やしたいんだろう?」って思います。現在の職階も労働者という名の事実上奴隷ではありますが,課長になっても上位奴隷というかむしろ奴隷度は増します。
なんせ,いくら残業させても,休日出勤させても,責任が重くなっても給料は低くてしかも低額で済むのですから。
弊社は比較的大企業のため福利厚生は充実しており,離職率も低いです。そのため,同期の多数はそのまま会社に残りつづけます。一方で管理職は部下を持つので5人~10人に1人いれば人数バランス上問題ありません。上記のとおり希望すればだいたい管理職になりますので,現在の人員バランスですと3人に1人くらいは管理職です。そのため,年次が上がれば上がるほどライバルの割合が増えるのでラットレースの度合いが増加します。圧倒的に管理職の供給が過大なのでそこでさらに上がろうと思ったらさらなる努力が(手当なしで)必要です。
環境が良いから残り続けたら,どんどん環境が悪化していくというパラドックスのような状況です。
多様な働き方を認めてほしい
政府は働き方改革とか言って女性の社会進出や高齢者の雇用延長制度を打ち出したりしているわけですが,いわゆる普通のサラリーマンの働き方の多様性についても打ち出してほしいですね。別に上位の職階を全員が目指すことって経済が伸び悩んでいる現代においては必ずしも正しくないと思います。管理職にならないで一生を過ごすというキャリアプランも人員バランスの維持という上で労使ともにメリットがあると思います。
また女性の社会進出を進めるということであれば男性の育児休暇制度ももっと拡充してほしいです。いちおう制度として男性の育児休暇というのが弊社にもありますが,期間は1週間とかで超短いです。こんなの実質的になんの意味もありません。最近少し反省して1か月取得できるようにしたりしていますが,取得率は低いですしそもそも1か月でも全然短いです。1年とか2年とかの単位での制度にしてほしいです。
年単位で育児休暇を取得したら業務の成果的には取得していない人に見劣りする可能性はあるでしょう。単純に同等の能力の人が同等の仕事をした場合1年分遅れることになります。それならば出世を1年遅らせればいいだけです。もちろん育児休暇取得後に挽回するような成果を上げたら帳消しか,より早く出世することもあるでしょう。
現在制度だと完全に年次×学歴×出世試験を何回受けたかで決まるので難しいと思いますがそのように働き方の多様性に着目した働き方制度改革が広まることを期待します。