この職業は私が転職を意識してから最初に目指してみた仕事になります。なお,こちらの職業は首都圏に求人が集中しており,引っ越しはNGのため現在は断念しております。
※引っ越しがNGの理由はこちらからどうぞ
アクチュアリーとは?
アクチュアリーとは、主に生命保険、損害保険、年金の分野で統計学を駆使して,リスクを数字化し保険商品の開発、運用状況の確認をする仕事です。生命保険分野の方の比率が高いので,生命保険数理人と呼ぶこともあります。日本でアクチュアリーになるには日本アクチュアリー会が主催している試験に合格する必要があります。基本科目5科目合格で「準会員」専門科目2科目合格で「正会員」となれます。また,基本科目の科目合格で「研究会員」になれます。要は数学を使った専門職になります。
過去問題を見てみましたが,完全に「数学」です。また,基本科目などと書いてありますが,難易度は高く,確率の問題に始まり,正規分布等の統計学の内容や積分を使った問題も出題されます。難易度の高い大学の入試問題みたいな感じです。
私は数学が好きです。定義がはっきりしていて,答えも一義的に決まるところがいいです。そんな数学を活かす職業があるということを知りとても興味を持ちました。
アクチュアリーの魅力とは
私がアクチュアリーに感じた魅力は主に以下の2点です。
・専門職であり,求人が多い
アクチュアリーは既に述べたように基本的には資格試験に合格する必要があります。大手生命保険だと入社後に資格取得を目指すパターンもあるようですが,いずれにしても資格取得することに大きな重要性があります。また,試験の難易度が高いこと・職業として認知度が日本ではまだ高くないことから,資格取得者が少なく,常に売り手市場の分野になります。実際,「アクチュアリー 求人」で検索すると山のように出てきます。たとえモンスターみたいな同僚、上司にぶち当たっても転職というカードを切ることができます。実際に転職しないとしてもそういうカードを持っているというだけで精神的な面でのプラス効果が期待できます。(投資が軌道に乗り,いつでもやめてやるという状態だと仕事のストレスが前より低減するそうですが,それに似ています。)
・資格合格、経験を積めば年収が2000万円を超える
アクチュアリーの転職を検討していた当時は投資を知らなかったので,単純に給与所得の高い仕事を探していました。求人情報を見ると,基礎科目の科目合格で,現在の私の会社での年収レベル(年収600~700万円)、基礎科目全合格で課長・部長レベル(~1000万円)が相場でした。専門科目取得者だと1000万円は超えてきて,外資系だと2000万円というところもありました。当然,経験や実績も重視されるので,資格さえとれればよいというものではないのでしょうが,「非常に高い年収水準」であることがうかがえます。
勉強&転職活動してみた
さっそく,教科書を購入し勉強を始めました。ちなみに,基礎科目は以下の5教科で,私は「数学」、「生命保険数理」をまず勉強しました。
基礎科目5教科
・「数学」
・「生命保険数理」
・「損害保険数理」
・「年金数理」
・「会計・経済・投資理論」
特に生命保険数理は興味深かったです。多くの人がなんらかしらの保険に加入していると思いますが,その料金がどのように設定されているのか理解している人はほとんどいないと思います。生命保険の料金設定の基礎的な考え方について,学ぶことができます。これは,アクチュアリーになる・ならない別としてためになりました。そして,掛け捨ての保険(基本は死亡保険)以外は絶対加入しないと私は思いました。
試験は毎年12月に1回あるのですが,2018年の1月から勉強を始め,数か月勉強したところで,この2教科は合格できそうな目途が立ってきました。そこで,実際にアクチュアリー専門の求人サイトに登録していろいろ聞いてみました。(まだ,科目合格もしていない未経験者が求人サイトに登録&問い合わせするのはかなり気が引けたのですが,自分の人生がかかっているので登録しました。実際は,求人サイトの方はとても丁寧に対応していただき,また,私の知りたいことも十分に知ることができました。)
ちなみに,聞いたこと、解答は以下とおりです。
【問い】
29歳未経験だが,興味があり勉強している。仮に今年の試験で科目合格した場合,求人はあるか? また,九州の田舎に住んでいるが,九州の求人はあるか?
【解答】
29歳未経験でも求人はある。年齢も考慮すると3科目保持していることが望ましい。ただ,求人は東京・一部大阪が99%であり,九州での求人は取り扱ったことがない。
アラサー、未経験でも科目合格さえして入れば求人があるということが分かりました
これは驚異的だと思います。ちなみに現在の職種ですと経験者でも転職は困難です。それは現在の職種が人材飽和状態であり,新卒で入る以外の道が狭き門だからです。
一方,勤務地に関しては事前に調べていた段階である程度は予想していたのですがやはり首都圏に集中していました。職務の性質上,全国に配置する必要はなく,基本的には本社にて勤務する職種のためです。現在住んでいる温泉県が本社の銀行や信用金庫はあるので,そこでの求人を狙っていたのですが,残念ながら現在は求人していないということで,結局アクチュアリーへの転職はこの時点でペンディングとしています。今後,なんらかの新しい情報が入れば再度検討を考えます。
一般には求人が少ない数学業界で,このような職種があったなんてもっと早く知りたかったですね。給与体系から言えばほぼ医者と同じレベルです。大学時代に知っていれば確実に目指していました。私の情報収集能力がなかったと言えばそれまでなのですが,惜しいことをしたものです。
また,今回の教訓として,現在の職種の問題点が見えてきました。具体的には,
①買い手市場であり転職が困難
②フロー型の仕事であり,積み上げが少ない
詳細は別の記事でまとめようと思いますが,今後の転職活動ではこの2点を意識し活動していこうと思っています。最終的に,アクチュアリーになることはあきらめましたが,今回改めて自分の職業を俯瞰することができて有意義であったといえます。
現在の目標設定についてはこちらをどうぞ
https://houbokulife.com/post-17/