【リセッションの一因となりうるか】米国債務超過が拡大

米政権の債務赤字は4年連続で1兆ドル以上になる見込み

トランプ大統領は2019年3月に提示した2020年度会計の予算教書で,国防費を中心に歳出の5%増加を要求しました。年3%の経済成長という楽観シナリオでも財政赤字は4年連続で1兆ドルを突破する見込みです。このニュースですが,ほかの様々な要因と合わさるとリセッションを引き起こす一つの要因になりうるのではないかと思いました。当然将来のリセッションは誰にも予想できないわけですが,リーマンショックの際もサブプライムローンの問題自体はリーマンショック前から取りざたされていましたので,全く予見できない訳ではありません。

およそ何かバブルが弾ける時は本来の実力以上に何か金融的なものが膨張していてそれに対して元のモーメントに戻ろうとする際に発生することが多いです。今回の米国債務の増大率は5%とバブルと比較したら低水準ですがその要因としては大幅減税など人的に作り出された外部要因があります。結果として20年度予算の歳出要求4超7000ドルあまりに対して歳入は3兆6000億ドルに抑えられる見込みです。

また,債務超過でありながらホワイトハウスのシナリオは楽観的で今回示された予算教書では10年間の経済成長率を平均3%と設定しており,それに伴い歳入も10年で1.8倍に増えると見込んでいます。一方で,IMF(国際通貨基金)は減税効果が薄れる2020年以降は米成長率が1%台に低下すると予測しており米政府の予想通りにならない可能性が高いです。

最悪想定の際に打てる手は少ない

米中貿易戦争で輸出が鈍化し,さらに国内需要も低下,大幅減税の効果も底を打つとなるといよいよ経済が鈍化していく可能性があります。そうするとさらに税収が減るので負のスパイラルに突入してしまいまいます。そういった時は金融政策などで何とかする必要があるのですが,現状打てる手は非常に限られています。減税をやめるのは本末転倒ですし,すでに債務超過のため財政出動して公共事業を起こすのも厳しいです。FRBの政策金利を下げようにも2019年時点では2.5%とすでにかなり低い状況のため下げ幅の余地は少ないです。米国インフレ率を考慮すると実質金利は0に近い状況です。もし大規模な景気後退が起きた場合名目金利を大幅なマイナス圏、例えばマイナス5%まで下げる必要があるという見立てもあります。
そんなことになると金融面,政治面で非常に混乱することが予想されます。特にマイナス金利なんてことになると金融業の収益は大幅に減少するため,中小銀行を筆頭として連続倒産の可能性すら見えてきます。

今後リセッションが起きる一つのスキーム【あくまで可能性】

以上を総合して今後のリセッションの一つの可能性シナリオをまとめます。あくまでこんな未来もありえるんじゃないかと今々の情報から可能性の提示ができるというだけであたりまえですが,本当にこうなるかどうかは神のみぞ知ることです。

米国の債務超過が拡大

実体経済が徐々に後退期に突入

小規模な株の暴落、様々な実体経済指標の悪化が顕在化

財政出動は限界のためFRBが(実質)マイナス金利を導入

銀行の収益が圧迫

多数の銀行and/or証券会社が倒産

リセッション突入!

あくまでも可能性の提示です。色々なリスクを考えてそうなった際に自分はどう行動するのか今から考えておくのが重要と思います。神に祈ったり政治家のせいにしてもなんの解決にもなりません。

スポンサーリンク

↓ついでにブログ村のバナーもクリックいただけるともっとモチベーションアップにつながります^^
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

スポンサーリンク
関連広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする