中国で国家情報法が成立したことの影響は大きい。台湾半導体大手UMSが中国との協力を縮小。【米中貿易摩擦】

中国で国家情報法が成立したことのインパクトは大きい。

台湾の半導体企業の聯華電子(UMC)が中国DRAM大手の福建省普華集成電路(JHICC)への協力体制を縮小することを発表しました。2018年12月にUMCはJHICCに対して技術支援を担う約300人で構成される部署に対して人員削減を通知しました。報道によると「既に業務はほぼ停止しており,事実上の解散だ」と関係者がコメントしているそうです。JHICCの事業は中国の半導体メモリーの3大プロジェクトの一つで中国の産業高度化策「中国製造2025」の中核事業の一つでした。習近平国家主席は半導体事業について「半導体はヒトでいえば心臓だ。技術上の重大なブレークスルーを実現し、半導体のトップに受けてよじ登れ。中華民族の偉大な復興に貢献しろ。」 と国民に向けて激を飛ばしておりかなり本気でしたが,大きく出鼻をくじかれた形になります。

今回の背景は中国で成立した国家情報法という恐ろしい法律

台湾企業のUMCが中国企業のJHICCへの協力縮小を決定した背景には米司法省が米半導体メーカーから企業情報を盗み出した産業スパイの罪でJHICCと台湾のUMCを連邦大陪審が起訴したことによります。UMCは本業の受託生産事業への影響を懸念して大規模の協業縮小へ動いたということになります。アメリカが中国に対してかなり強硬な姿勢に出ているのは中国で2017年6月に施行された「国家情報法」に脅威を感じているためです。国家情報法は国内外の情報工作活動(いわゆるスパイ活動)に法的根拠を与えるものです。法の中では組織や市民にも「必要な協力」を義務付けています。同法第7条では「いかなる組織及び個人も、国の情報活動に協力する義務を有する」と定められており例えば米国の企業に勤める中国人は当然そこで知りえた情報を他に開示することは当然守秘義務で禁止されているわけですが,国家情報法を適用すれば中国政府に開示を求められたら開示しなければ犯罪者になります。中国では法=共産党であり,脱税しただけで有名女優の身柄を拘束してマスコミにも発信しないみたいにやりたい放題できるので,海外に勤める中国人は本人の政治的スタンスに関係なく大きなリスクを背負うことになります。

技術力のアメリカかマンパワーの中国のどちらが勝つか

中国が一回定めた法律を簡単にひるがえすとは思えないので,国家情報法の施行により米中貿易摩擦は今後ますます激化するでしょう。中国は半導体の国内自給率70%を目標に掲げていますが,現行では10%~20%程度でまだまだ全然目標に達していません。そもそも半導体というのは技術革新のスピードがすさまじいので現在ある製品を再現するだけではだめで本当の意味での技術力とそれを革新し続ける真の実力が必要です。
現在の技術力や革新をし続ける実力はもちろんアメリカを始めとした先進国が大きく勝っています。しかし一方で中国の技術者はとても優秀な人が多く,なによりの強みはその人口の多さです。人口が多ければ優秀な人の数もその分増えることになりますし,半導体の開発とかは時にマンパワーが大きく寄与します。世界屈指のマンパワーを共産党の思惑ひとつで動かすことのできる中国にも米国を凌駕することの可能性はあると思います。激化を極める米中貿易戦争の結果,両方が大人になって折れるのか,技術力に勝るアメリカが勝つのか,はたまたマンパワーに勝る中国が勝つのか注目です。

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