【意外な事実】日本の1人あたり実質GDPの推移はアメリカとほぼ同等

1980年~2018年の日米実質GDP推移

今後のマクロ経済の動向をはかる上で各種経済指標のキャッチアップは重要です。日本単体のトレンドも重要ですが,他国との比較も同じくらい重要です。日本の各種指標はアメリカと比較すると絶望することが多いのですが,1人当たり実質GDPの推移はけっこういい勝負をしています。実質GDPというのは国内で生産されたサービスや消費、投資活動などをインフレ率を考慮して補正した指標になります。
1980年からの日米両方の実質GDPの推移ですが,両国ともに基本的に右肩上がりとなっています。そして,例えば1980年、2000年と各年代を100とした場合両国のグラフはなんとおおむね一致しており両国の1人当たりの実質GDPの伸び率は変わらないことになります。他の年を起点としてもだいたい同じトレンドになるのでこれは素直に日本結構すごいと思います。

とはいえ今後の見通しを楽観視できない理由2つ

一方で先ほどの指標は1人当たりの実質GDPの比較でした。1人あたりの」、「実質」というところがポイントです。この要素を取り払うと残念ながら日本はアメリカに対して完敗してしまいます。なぜならばアメリカは人口がどんどん増加しているのに対して,日本はついに減少を始めています。また,インフレについてもアメリカは緩いインフレで推移しているのに対して日本は平均するとほぼインフレ0で推移しています。

日米両国の名目GDPの推移(1980年を100とする)

日米両国の人口とインフレ率の推移

というわけで実質ではなくて名目のGDPを比較するとものすごい差が生じてしまっていることが分かります。なぜならばこの40年間の人口増加とインフレ率に大きな差があるためです。ただ,個人的には名目GDPの多寡はさほど国民生活に影響はないかなと思っています。中国に2009年にGDPを抜かれましたが国全体としてはまだまだ日本の方が豊かだと思います。
一方でインフレ率の差というのは今後問題がより顕在化してくる重要な問題なのではないかと思います。なぜならば世界の基軸通貨はドルなのでドルベースでの物の値段というのが重要になってきます。ドルベースで物の値段が高くなるにつれて日本の購買能力は低下します。日本は資源がないので多くのものを輸入に頼っています。食料自給率も低いです。

日本は何も悪くないのに輸入燃料や食べ物がどんどん高くなって国民の家計をじわじわ圧迫していく可能性があります。例えば、カルビーは燃料費や原材料価格の高騰により堅あげポテトなどの料金を2019年5月から2.9%~6.3%の値上げすることを発表しています。またかっぱえび線についても7月より4.4%~6.3%内容量を減らすそうです。これなんかまさにインフレ率の差による弊害であり今後も一定期間ごとに様々なものについてじわじわと値上げ、内容量の現象が起きていくでしょう。

マクロ経済学なんて自分には関係ないと思っていても日常的に食べるおかしの値段にも効いてくる大事なことです。小さなことですが,日々のニュースをチェックして選挙の際にインフレ率の増加を目指す政党に投票するとか一人ひとりができることはあります。

少なくとも私は堅あげポテトもかっぱえびせんも好きなのでデフレを容認すると発言する政党には絶対に投票しません。

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