マネタリーベースを増やしてもため込むだけでインフレが進まない日本

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安倍総理肝いりののインフレ目標は未達

安倍総理の経済政策として特徴的なのは「量的緩和によるインフレ目標の設定」でしょう。

アメリカのように低く安定したインフレ状態を維持することができれば,現金を持つことがリスクになりますので企業の投資活動、消費行動を促し経済循環を向上させるというのが狙いです。アメリカの丸パクリ政策ですが,根拠のある政策です。

就任以来株価の上昇や雇用の回復等様々なことを有言実行してきた安倍総理ですが,この「インフレ目標」については全然達成できていません。なぜ日本でインフレが進行しないのかマクロ経済学の観点から見ていこうと思います。

この記事を書く上で参考にしたのは「ジョーンズマクロ経済学Ⅱ」です。

本書は基本的な経済学の理論を数式を織り込んで理論的に説明されています。数式と言っても難しい数式はほぼないので,高校生程度の数学の知識があれば問題ありません。

著者のチャールズ・ジョーンズ氏は笑顔が素敵なナイスガイです。

インフレ率と貨幣量の理論的な関係

お金をじゃんじゃん刷るとインフレが進むというのはマクロ経済学の「貨幣量論説」に依ります。「貨幣量論説」では以下の式が成り立ちます。

流通現金×貨幣流通速度=名目GDP

例えば年間の名目GDPが100である世の中で流通現金が20だとしたら貨幣は平均的に年間5回使用されたことになります。

名目GDP=インフレ率×実質GDPなので,

流通現金×貨幣流通速度=インフレ率×実質GDP

となります。貨幣流通速度と、実質GDPの変化を上回るレベルで流通現金を増やせば物価水準が上昇=インフレすることになります。

※本当はデフレの場合も考慮し「物価水準の変化率」が正しいですが,今回はインフレの場合を考えているのでインフレ率とします。

流通現金は3倍に増加もインフレは進まず

流通現金(マネタリーベース)は2013年4月は147兆円に対して2018年4月は483兆円となっており,3倍以上になっています。

しかし思惑と異なり,インフレはほとんど進行していません。

先ほどの等式をもう一度示します。

流通現金×貨幣流通速度=物価水準の変化×実質GDP

流通現金は3倍になっています。同じ期間にインフレと実質GDPは増加はしていますが,変化量はわずかです。

つまり,貨幣量論説を正とすると「3倍も流通現金を増やしたけれどもそれを帳消しにするレベルで貨幣回転率が下がった」ためインフレが進行していないということが推定されます。

イメージとしてはリスがドングリをため込むようにどこかでお金が停滞している感じです。

リスの正体の1つは企業の内部留保か

この貨幣流通速度というのは観測するのが非常に困難であり,原因がどこにあるのかを定量化するのは難しい値です。

ただ,原因の一つとして企業の内部留保の増加は挙げられるでしょう。

「法人企業統計調査」によると安倍首相が量的緩和を実行した2013年から企業の「利益余剰金=内部留保」は着実に伸び続けています。データが2016年までしかないのですが,このトレンドでしたら2017年、2018年も同様に右肩上がり(それも傾き大)であることが予想されます。

企業が利益をため込んでいればお金の流れは停滞しますので,確実に犯人の一つでしょう。また,額も「兆」の単位なので寄与度も大きいと推定されます。

日本がアメリカをまねるのはそもそも無理があったのでは?

アメリカの成功例を丸パクリすることでこれまで成長してきた日本ですが,今回ばかりはレベルが高すぎたのではないでしょうか?

経済成長には「新しいアイデア」「投資率向上」が必須です。アイデアが先にあって初めて「じゃあ必要なお金を用意して投資しよう」となるのです。お金だけあっても使い道がなければ内部留保するか借金の返済に充てるだけです。実際内部留保額の増加と共に企業の自己資本比率も増加しており,せっかくの利益を投資ではなく借金の返済に充てていることが分かります。

弊社でも今年度は過去最高益に迫る営業利益でしたが,大部分を設備投資ではなく,借入金の返済に充てていました。弊社は決して借金体質の経営ではないため,この低金利時代にわざわざ返す必要はありません。

ただ有効な投資先を経営陣が判断できなかっただけです

投資先のアイデアがなかったから借金でも返しておこう

という消極的な理由での借金返済と考えられます。

失敗覚悟で海外拠点でも国内拠点でも生産設備を増設すればいいのにと思います。実際,いくつかの製品は他社に比べて優位性があるので,単純に既設の設備と同じものをもう一個作ればいいだけです。

「投資回収できる前に経済が後退になったらどうしよう」とか後ろ向きなことを考えていることが見え見えです。

日本を変えるのは無理そうなので,着実にインフレしているアメリカに株式投資するのが一つの解です。アルトリアグループに投資した時の記事です。完全にたまたまですが,買った翌日に暴騰しあやうく高値で買わないといけないところでした。

https://houbokulife.com/mo/

着実にインフレが進むアメリカに日本人が投資するメリットです。インフレしないならしないでドルでもっておけば将来的に有利に働きます。

https://houbokulife.com/post-344/



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