PFFのメリットとデメリットについて

PFFはなかなか味のあるETF

PFF(iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF)ですが,毎月分配金があることや比較的高利回りであることが魅力のETFです。優先株というのは株主総会での議決権がない代わりに配当金や会社清算時の残余財産を普通株よりも優先して受ける権利を有することができる株式です。

日本でも伊藤園が優先株式制度を導入しています。普通株式よりも配当金が1.25倍になるというメリットがあります。とはいえ伊藤園の場合優先株式でも配当利回りは2%強くらいなのであまり利回りに魅力を感じる水準ではありません。

一方でPFFは利回りが税引き後で4%程度と高利回りで魅力的です。しかしながらメリットだけでなくデメリットも当然あるわけでPFFのメリットとデメリットについていくつか考えてみたいと思います

PFFのメリット
・毎月配当があり、高配当利回りである
・金融危機以外では値下がりが緩慢
・ETFなので上場廃止になっても紙屑にはならない

PFFのデメリット
・トータルリターンが悪い
・セクターが偏っている
・マイナー銘柄が多い

以下それぞれデータを交えて詳しく見ていきたいと思います。

(組み入れ銘柄などの情報は2019年3月時点のものです)

PFFのメリット①毎月分配があり、高配当利回りである

PFFは1月を除き基本的に毎月分配金が出ます。1月が分配金ない分12月は通常月の2倍くらいの分配金が出ています。2016年~2018年の毎月分配金はおおむね一定で2018年の年間配当金2.16ドル、2019年3月時点の価格36.42ドルで計算すると配当利回りは税引き後で4.2%もあります。毎月分配金で高利回りなので,退職金を使って自分年金をするのには適していると思います。少なくとも銀行や証券会社が勧める高い手数料の投資信託にせっかくの退職金をつぎ込むよりはよっぽどよいでしょう。

PFFのメリット②金融危機以外では値動きが緩慢

PFFは2007年に設定されましたが,その後さっそくリーマンショックに見舞われています。PFFは大部分を金融株で占めていますので,そのあおりを受けて最大で70%も価格が下落しています。しかしその後1年くらいで現在の価格に近い40ドル付近に価格が戻っておりその後は特に上がりも下がりもしていません。昨年末にあった株の暴落時にも10%程度しか株価が下がっておらず金融危機以外では値動きは比較的緩慢と言えそうです。いちいち価格に一喜一憂しなくていいというのはあまり投資に時間を取りたくない人にとってはメリットと言えるでしょう。

PFFのメリット③ETFなので上場廃止になっても紙屑にはならない

PFFはETFなのでもし今後ファンドの財政が悪化して上場廃止になったとしても価格が0になるわけでありません。個別株は破綻した場合価値が0になって投資していたお金は吹っ飛ぶのでその点はPFFのメリットの一つです。ただ,上場廃止となった場合それなりに損失を被ることにはなるでしょう。ただ,リーマンショックが来ても上場廃止にはなっていないので上場廃止にまでなるというのはかなり限られたケースでしょう。

また例え上場廃止になったとしても一定の長期間保有していれば損失を出さずに済みます。例えば価格が50%下落した時に上場廃止が避けられなさそうな情勢で売却したとします。先ほど見たように受取配当利回りは4.2%なので12年保有していれば合計受取配当金は50.4%となるので配当金と売却金でもとは取れています。よほど運が悪いタイミングで全力買いしない限り実損を被る可能性は限定的でしょう。

PFFのデメリット①トータルリターンが悪い

PFFのトータルリターン(配当金、分配金を全額再投資し場合)は設定来で+61.5%です。一方でその期間のS&P500のトータルリターンは+357.6%です。5.8倍も差があります。PFFに投資する場合はトータルリターンを狙うのではなくあくまで毎月の分配金というキャッシュフローを目的にするべきでしょう。

PFFのデメリット②セクターが偏っている

PFFの組み入れ銘柄を見てみると銀行や金融、保険業などの金融セクターが多くを占めています。この3つだけでも67%、2/3です。ETFですが,セクター分散性はよくないです。投資の基本はセクター銘柄についての分散投資なので,PFFだけだとその基本理念に反していることになります。ですので,より安全な投資をしようと思った場合S&P500連動型ETFやVYMなどと併用して投資するほうがよりよいでしょう。

PFFのデメリット③マイナー銘柄が多い

PFFの組み入れ銘柄を眺めてみるとあまりなじみのない企業名ばかりとなっています。3位のCITIグループはさておき,組み入れ一位のBECTON DICKINSON AND COMPANY や2位のGMACなんか聞いたこともありません。

投資の神様ウォーレンバフェットは「今後10年間市場が閉鎖しても喜んで持ち続けられる株(企業)だけを買いなさい。」や「リスクはあなたが何をやっているか理解していない時に起こる。」という名言を残していますが,PFFの多くの銘柄はよく知らない銘柄だし今後10年市場が閉鎖しても喜んで持ち続けられる企業とは胸を張っては言えないです。とはいえ企業単体ではそうでもPFFというくくりで見たらこれまで見てきたようにそのメリットやデメリットもある程度明確ですし,10年単位で保有してもいいようなETFかと思います。

以上、PFFのメリットとデメリットについてみてきました。このETFは比較的頻繁に構成銘柄を変えるので今後も一定期間ごとに内容について確認していきたいと思います。

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