エーザイ純利益42%増加も早期退職者を300人募集

エーザイが業績好調も早期退職者も募集

エーザイの2018年4月～12月期の決算は純利益が前年同期の42％増となる399億円となりました。主力の抗がん剤「レンビマ」など新薬の販売が伸びたことが要因です。19年通期の予想は据え置きで売上高前期比6％増の6,365億円、準衛駅は605億円を計画するものの柳良平・最高財務責任者は「計画は保守的な見積もりで、さらなる上振れを目指していく」と強気のコメントをしています。

非常に業績のよいエーザイですが，同時に早期退職者募集も行っています。今回の募集は45歳以上で勤続5年以上の社員が対象で合計300人の募集です。

同社ニュースリリースによると本来300人の募集に対して3回に分けて希望退職者を募る計画だったそうですが，第一回の募集（予定では100人）だけで定員となる300人の募集があったそうです。早期退職者には割増退職金が支払われるそうで割増退職金として合計で66億円を予定しているそうです。一人あたり2,200万円にもなります。通常の退職金と合わせると3,000万円は余裕で越えてくるでしょう。

エーザイのニュースリリース

エーザイ株式会社（本社：東京都、代表執行役CEO：内藤晴夫）は、平成30年10月25日に発表した希望退職者(第1回)の募集が終了し、その結果が確定しましたので、下記の通り、お知らせします。

1. 希望退職者の募集の概要

1) 対象者：平成30年4月1日現在、当社に在籍する45歳以上かつ勤続5年以上の社員
2) 退職日：第1回：平成31年3月31日、第2回：平成32年3月31日、第3回：平成33年3月31日
3) 募集人数：第1回：100名程度※
4) 募集期間：第1回：平成30年12月11日から平成30年12月21日まで（但し、応募の状況によって変更する場合があります）、第2回・第3回も各年度同時期の募集期間を予定しております。
5) 優遇措置：通常の退職金に割増退職金の加算を行います。さらに、本制度を利用して退職する社員に対して、本人の要望に応じて再就職のための支援を行います。※第2回、第3回の募集人数については、第1回の応募状況等を勘案し決定する予定です。

2. 希望退職者の応募人数および割増退職金総額（第1回）

1) 応募人数：　300名

2) 割増退職金総額：　約66億円

※応募状況から判断し、募集締切を平成30年12月21日から平成30年12月19日までに短縮しております。

エーザイニュースリリースより

大企業でもいつ居場所を失うかは分からない

前述したとおり，今回の募集は45歳以上で勤続5年以上の社員が対象で合計300人の募集です。エーザイの単体社員数は3,172人(連結は10,456人)のため単体ベースだと約10人に1人の規模になります。
さらに今回の募集は45歳以上限定のため仮に22歳～60歳の各年齢の社員数が均一だとすると45歳以上の社員は1,252人となりますので，4人に1人が削減されることになります。
通常の退職金と合わせると3,000万円以上もらえるのはありがたいですが，45歳だと3000万円だけでは特に金融資産がない場合再就職が必要でしょう。

最近は求人倍率が非常に高いので45歳以上でも再就職は比較的容易かもしれません。そのため割増退職金をもらうべく自発的に早期退職に募集した人も結構いると思われます。しかし中には自分の意思に反して辞めざるを得なかった人もいるかもしれません。また，シャープの例のように鴻海みたいな海外企業に買収されたのちにいっせいに首を切られる恐れもあります。そうなったときに人生詰まないためにも若いうちから貯蓄や投資をしてある程度の金融資産の余裕を持っておくことは大事なことでしょう。

私は結構悲観論者なので投資する目的の一つとして将来リストラ候補や会社に居づらくなったとしても金銭的に詰まないようにするというのも投資をしている目的の1つです。