集団主義・同町圧力もここまでくると病気
都立高校の約6割で，入学時に「地毛証明書」を提出させているそうです。髪の毛を染めているのかパーマをかけているのかが生まれつきなのかを見分けるために生徒に証明書を提出させて一部では証拠として幼児期の写真まで提出させる例もあるとか。
場合によっては生まれつき髪の色が明るい人に対してすら黒に染めることを強要したりする指導をするそうで，「黒髪」であることを「普通」として徹底させているようです。
私が学生の時はこんなものなかったと思います。脱色して明らかに生活態度も悪い生徒は個別に指導が行っていたと思いますが，ちょっとした茶髪の人に対して何か指導が入っていた記憶はないです。ましてや，地毛の人はもちろんのことです。そもそも全員に身体的な特徴という個人情報かついじめの原因にもなりそうなことを学校という何の権限もない組織に強制的に提出させるのが気持ち悪い。
移民を受け入れようとか，グローバル化とかいっているのに足元の教育業界ではこんな魔女狩りみたいなことをしているんですね。こんな制度作った教育委員会も狂っていますが，
それに素直に従っている教師も気持ち悪いです。
「学生は勉強に集中すべき」、「全員を対象にしないと不平等と言われてコンプライアンス的にまずい」みたいな発想からこんな異常な制度が生まれたと思いますが，完全に思考停止しているとしか思えない。
そもそも人を頭髪の色で規定するのは非常に危険な思想です。ナチスドイツでは金髪で隻眼の男子が優性とされ，正しい姿とされていました。そういったことが発展してユダヤ人差別とかに繋がっていったわけで，こんなことをしていたらもともと髪の毛が茶髪の人はそれを理由にいじめを受けたり，精神的に参ってしまいそうです。
【日本人の習性】脅迫観念で暴走する
この気持ち悪さは一般の会社でも言えて，ここ数年アベノミクスの影響もあって軒並み企業の業績は上がっています。それ自体はいいことですが，それと同時に不思議な閉塞感が醸成されたように感じます。好景気の時って，たまたま波に乗れて成果を出せている人はいいけれどもそんな人ばかりではなくてやっぱりうまく行かなかったり，そうでなくても好景気のなんでも前向きな考え方をしなければならない雰囲気に合わない人とかがいて全員が幸せなわけではないと思います。私の個人的な感覚ではせいぜい2割くらいの人が楽しくて，後の8割くらいはなんらかの形で取り残されているような印象です。それを示すかのように，好景気にもかかわらず，メンタルを病んで退職していく人が周りに結構います。一部の人がイケイケだと自分もイケイケじゃないといけないみたいな全体主義的な強迫観念がどんどん肥大化していってそれが変な風に表出したのが今回の地毛証明書問題な気がします。うちの会社でもどんどん謎の方向でコンプライアンスが厳しくなって，道を渡る時の作法（ちゃんと周囲を確認してから渡っているか）がきちんとしているかを確認するために監視カメラを導入して一人ひとりチェックするようになりました。ほとんどの人は地毛証明書のように気持ち悪いと思っているみたいですが，ごく一部の人には好評でこの気持ち悪い制度はいまだ続いています。
道を渡る時の作法が悪いことよりも人を監視カメラで監視することの方がよっぽど問題と思いますが，そういったことは思考停止してしまって分からなくなってしまっているのでしょう。
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