初心者がオーケストラに入団するとまずぶち当たるのが「言語の壁」です。普通に音楽の話になると専門用語や俗語が飛び交い会話に入ることができません。そうなると肩身の狭い思いをすることになります。今回はオケ初心者だった私が「あの時知っていれば」というオケ単語についてまとめました。
【専門用語系】
まずはオーケストラ特有の単語です。これは特有語なので,意味を知らないと全然わからないです。
・のる
オーケストラに出演することを「のる」と言います。普通に「出る」「出演する」でいいと思うのですが,なぜかみんな「のる」と言います。
使用例
「今度の定期演奏会のる?」
「あの人も次の演奏会のってるの!」
・ボーイング
弦楽器は弓の毛を弦に押し当てて音を出しています。弓の上下の仕方は全体で一様になるように調整します。この動き方のことをボーイングと言います。
使用例
「チェロとビオラボーイングあってないから合わせといて!」
・アップ、ダウン
ボーイングのうち,↓向きに動くほうをダウン、↑向きに動くほうをアップと言います。
使用例
「5小節目のボーイング、アップ、ダウン、ダウン、アップで!」と言う風に使います。
・落ちる
自分の弾いている場所が分からない、難しすぎる等の理由で弾けなくなることを言います。
使用例
「ごめん落ちた(もう一回練習させて)」
「ここはビオラが落ちてたのでもう一回通します」
などのように使用します。
・トップ
各楽器のリーダーになります。座る場所は弦楽器であれば一番前のお客さんに近い席、木管、金管楽器では舞台の中央側になります。
使用例
「トップは○○さんにお願いします。」
「トップとボーイング合わせて!」
のように使用します。
・プルト
弦楽器は2人で1つの楽譜を見ます。2人セットです。このセットのことをプルトと言います。大体はうまい人から前に座るというのが基本系です。
使用例
「○○さんは今度の演奏会では3プルトでお願いします。」
「今度の練習私はいけないので,2プルトに座ってください」
のように使います。
・表、裏
プルトのうち,お客さんに近い側の席を表、その逆側を裏といいます。裏の人は楽譜をめくるという大役があります。初心者で入団した場合一番後ろの裏(お客さんから一番目立たない位置)に配置されることが多いです。プルトと合わせて,「1裏(=1プルト目の表)」、「2表(=2プルト目の表)」などと表現します。
【略してる系】
これは特有語ではないですが,略していて分かりずらい語句になります。
・パー練
「パート練習」の略です。楽器ごとに集まってその楽器の人たちだけで練習することです。難しいところを集中してやるので弾けないと目立つし恥ずかしいです。パー練の際は真面目に練習してから望みましょう。
・指揮練
「指揮者練習」の略です。指揮者の先生は多忙のため,毎回練習に来てくれるわけではありません。指揮者の先生が来て指導してくれる練習を「指揮練」と言います。文字で見たらわかりやすいですが,耳で聞くと「しきれん」となってなんのことか最初は分かりませんでした。また,指揮者練習は基本的に全員参加なので(用事があったらしょうがないですが),特に初心者はサボらないで出席しましょう。
・弦セク
「弦楽器セクション」の略です。バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスのことを指します。
「弦セクは本番当日朝8時集合」のように使用します。なんのことだか分からないと遅刻するので注意しましょう。
【曲名編】
曲名も基本的に略すことが多いです。「ッダダダダーン」でおなじみの「運命」のように短くてわかりやすい相性がついていたらいいですが,基本は長くて愛称もありません。オーケストラの打ち上げの席なんかで曲名の話になるとだいたいみんな略すのでその度に何の曲か聞いていたら話の腰を折りまくるためけっこう重要な知識です。(ちなみに運命はベートーヴェン交響曲第5番というのが正式名称です。)
作曲者+曲名を略したもの
・ブラ1
ブラームス交響曲第1番です。2番であればブラ2となります。ちなみにブラームスは5番まで交響曲があります。
・チャイ5
チャイコフスキー交響曲5番です。チャイコフスキーは6番まであります。
その他ざっと紹介します。
「マラ1=マーラー交響曲第一番」、「シベ2=シベリウス交響曲第2番」、「ショス5=ショスタコービッチ交響曲第5番」などなど
特有の名前
・バイコン
バイオリンコンチェルト(協奏曲)のことです。バイオリンコンチェルトの中でも,「バイコン」というとチャイコフスキーバイオリン協奏曲のことか,メンデレスゾーンバイオリン協奏曲のことを指していることがほとんどです。
・弦セレ
弦楽器セレナーデの略ですが,チャイコフスキーの弦楽セレナーデを指していることがほとんどです。
まとめ
これからオーケストラに入団する人が覚えておくと役に立つ語句や曲名について紹介してみました。(これでも一部ですが)ちなみに上記で紹介した曲はアマチュアオーケストラでよく話題に上るため,これからアマチュアオーケストラの門をたたく方は一度youtubeかなにかで聞いてみることをお勧めします。
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