JTの株だけで配当金生活を送れるか

結論1億円くらい資産があって減配リスクも許容できるなら可能

日本の高配当株の筆頭といえばやはりJT(日本たばこ産業)でしょう。2018年の配当金ベースだと利回りが税引き後で4.7%あるのでもし1億円くらい投資できたら年間470万円ももらえます。

ちょっと極端な例ですが思考実験としてJTだけを保有して配当金生活ができるか考えてみたいと思います。

結論から言うと配当金で生活するという目的なら多少面倒でも米国の個別株か高配当ETFの方がオススメです。

以下JTを保有するメリットデメリットを見て行きたいと思います。

JTのメリット

日本ではライバルが限定的である
「日本たばこ産業株式会社法」という法律がありJT以外はたばこを日本国内で製造することができません。(海外品は海外で製造されて輸入)。あくまで製造という意味に限定されますが,新規参入者がいないというのは普通の産業ではありえないことであり,それが許されているJT、ひいては株主にとっては大きなメリットです。また、国(財務大臣)が筆頭株主なのでいざとなったら国に守ってもらえる可能性もあります。また日本企業なので何かあったら報道等で比較的容易に情報を入手することができます。

JTのデメリット

一方で国(財務大臣)が筆頭株主ということでもし世論の批判が高まった場合減配など株主にとって不利益な方向に陥ってしまう可能性もあります。先般ドコモなど通信業者が国の圧力で料金を下げるように圧力をかけられたのは記憶に新しいです。
また、JTはグローバルに事業を展開していますが日本の売り上げ比率は4割もあります。日本は人口も減少しており、喫煙率も年々低下していますので今後収益が悪化する可能性もあります。

そして何より,配当金が減配する可能性があります。JTは2006年より増配年数14年と日本企業では相当優秀な連続増配をしています。また,その期間で配当金も10倍くらいになっておりこれまた非常に優秀です。しかしながら配当性向は70%近くになっています。また,2018年の営業利益が4%減ったことを受けて従前年間10円増配してきた配当方針を年間4円の増配にするアナウンスをしています。増配してくれるだけでありがたいですが,配当金を出すことに対する今後のスタンスは不明瞭です。将来の配当金についてはどの企業でも不明瞭ということに変わりはないですが,日本ではまだまだ配当金で株主に報いるという考え自体が欧米企業に比べて一般化していないことと,国(世論)の意向を受けやすい構造にあるということを考慮するとそのリスクは高めでしょう。配当金生活をしようと思った場合致命的な欠点かと思います。

JTを純利益4%減で配当金の増額を60%減らす 日本たばこ産業(JT)は2019年12月期の決算発表で,連結の純利益が前期比4%減の3,7...

というわけで冒頭の極端な問い「JTだけ保有して配当金生活ができるか」ですが、例えば1億円くらいあればたとえ数年減配や無配に近い状態になったとしても最悪貯金を取り崩せば生活できます。そしてJTがつぶれない限り長期に配当金が今ベースで減額されることは考えにくいでしょう。

とはいえ,普通の人であればJTに全額投資しないでコツコツ高配当株を積み立て投資した方が配当金生活に近づけると思います。。

米国株ならJTよりも配当利回り、増配年数の面で優れた銘柄がたくさんあります。

定期的な配当収入+市場平均に勝てる可能性もあり 株式投資においては十分に分散された米国株式,例えばS&P500に連動するETFであるVOO...
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