充分な給料でもどうしても比較してしまう
内定が出た学生時代のころは初任給の数字を見て
23万円ももらえるならどんなきついことにも絶対耐えられるじゃん!
とか思っていましたが,それから6年、初任給から10万円弱昇給もしましたが自分の給料に満足していません。生活にはぜんぜん困っていません。学生時代と金銭感覚がほとんど変わらないので月10万円以下で生活できています。不満なのはどうしても他人と比較してしまうからなんですね。同世代はほとんど給料変わらない(せいぜい月3000円くらい)なので全然どうでもいいのですが,おじさん社員が。。。
特に平社員の給料は昇給ペースが公開されているのでほぼほぼ計算できてしまうんですね。
あの何もしていないで,一日中椅子に座って弁当食べて15時半に帰る人が俺よりも給料10万円以上高いなんて。。。
と思ってしまいます。これは人間の性だからしょうがない部分もあるんですが,完全に無意味で非生産的な感情ですのでできればそう思わないでいられたらいいです。難しいですけどね。少しでも,マイナスの感情が減るようになんで働かないおじさんの給料は高いのか考えてみたいと思います。
使用価値と価値について
19世紀の大哲学者、経済学者のカール・マルクスは資本論の中でものの価値について考察しています。彼曰く物の価値には「使用価値」と「価値」があるそうです。
使用価値とは
「使用価値」とはややこしいのですが,我々一般の人が抱く意味であるところの価値です。電車で言えば,「遠い距離を短時間で移動できる」というのが「使用価値」になります。「使用価値」の大きさはその有用差で測れます。各駅電車と新幹線だったら新幹線の方が圧倒的に早く目的地に到着するので新幹線の方が「使用価値」が高いです。
社員で言えば,困難な仕事をバリバリさばけるような若手のホープが「使用価値」の高い社員で,しゃべったり弁当ばかり食べている働かないおじさんが「使用価値」が低い社員です。
価値とは
一方で「価値」というのは,ものを作るのにかかった費用の総和です。ブログで言えば,どれだけ時間をかけたかということです。有名ブロガーがそのノウハウを駆使して1時間でちゃちゃっと作成した月100万PVのブログより,私のような初心者ブロガーが何百時間もかけて作った月5000PVのブログだったら,初心者ブロガーのブログの方が価値が高いです。それだけ手間がかかっているからです。ここでいう手間と言うのは個別の例外を無視した世間一般でどのくらい手間がかかっているかという基準で決定されます。個別の事情は無視して全体の平均で(実際の平均は分からないけれども)判断される指標になります。
先ほどの若手のホープ(仮に23歳とします)と働かないおじさん(50歳とします)では働かないおじさんの方が価値は高いです。なぜなら若手のホープはおそらく独身(もしくは新婚)、子供なし、家のローン無というのが世間一般的には普通の年頃でしょう。一方で働かないおじさんは既婚、子供複数、家のローン有というのがいわゆる普通です(世間一般ではどうかという話なので独身のおじさんもいれば家を持っていないおじさんもいるでしょうが関係ありません。)
そして問題なのは,給料は「使用価値」ではなく「価値」を基準に支払われるということです。
いくら「使用価値」が低いからと言って,給料を下げたらおじさんは生活が立ち行かなくなります。終身雇用が基本の日本の大企業では定年まで働くことが正となっているので,おじさん社員には相応の「価値」に見合う給料を払い続けているというわけです。
大企業の給料が高い理由
給料は「価値」で決まります。そして「価値」は世間一般の平均的な水準で決まります。上記で例示した既婚、子供複数、家のローン有というのは昭和の世代では一般的かもしれませんが,現在では必ずしも一般的ではないと思います。大企業と言うのは多くは昭和にその基盤が作られており,給与体系もその時の基準で決められています。だから大企業では給料が高くなるのです。
例えば弊社では退職金は毎月の一定額を積み立てて退職時に一括でもらえるシステムなのですが,なんと積み立てている退職金に2%程度の利率がかかっています。定年まで勤めあげた場合利子分だけでも相当な額になります。この制度は銀行預金の利率が5%とかあった化け物みたいな時代を基準にその時に作られているのでそのようになっています。制度上は「固定預金利率+0.5%、最低利率として2%を保証する」と書いてあります。当時制度を作った人はまさか利率が2%以下になるなんて思ってもなかったかもしれませんがとりあえずそのおかげでついている利率になります。今この制度を制定しようと思ったら2%という高利率では承認されないでしょうね。
若者の給料を上げる方法はない
若者の給料を上げるには「価値」を上げるしかありません。例えば日本中の若者がお金をバンバン使って,それが世間に浸透したら「価値」が上がるかもしれませんが現実的ではないですね。若者の「価値」をあげるまっとうな方法はないでしょう。給料が上がらないのはもう甘んじて受け入れて成果が報酬に直結する株式投資とか副業を頑張るほうがよっぽど生産性が高い気がします。少なくとも働かないおじさんにイライラするくらいならそのエネルギーを別のことに傾けたほうがよっぽど生産性高まります。自戒の念を込めて。
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