アメリカのパリ条約離脱表明の意図とは。決して環境問題を軽視しているわけではない。

アメリカが2018年にパリ条約からの離脱を表明しました。パリ条約というのは世界の主要国が率先してCO2を始めとした温室効果ガスの削減を目標とするもので2018年に締結された時点ではアメリカ・中国・EUなどの主要国が承認したことが非常に画期的な出来事でした。

当時のアメリカの大統領はオバマさんでしたが,トランプ大統領が大統領になり,即効でパリ条約から離脱することを表明して話題になりました。正式に離脱ができるのは2020年の9月20日でアメリカの大統領選挙の日後なので,もしトランプ大統領が再選されなければパリ条約の離脱も見直される可能性がありますが,トランプ大統領の再選は今のところ鉄板そうなのでこのままいけばパリ条約からアメリカは離脱すると思われます。

日本での報道のされ方だと「トランプ大統領は自国の経済発展を重視して環境問題を軽視している」といったアメリカ自己中論がささやかれていますが,実はそうではなく,アメリカは「新しいエネルギー・リアリズム」というのを提唱しており,イノベーションにより単にエネルギー使用量の削減を目指すということではない経済発展をしながら,独自の解決策を模索するという方針を打ち出しています。

新しいエネルギー・リアリズム

米エネルギー省が2018年3月に公表した「新しいエネルギー・リアリズム」について下記紹介します。主な主張としては,エネルギー使用量を下げることだけを目標とするのではなく,技術のイノベーションにより環境問題を解決しかつ経済成長も追い求めるというものです。実にアメリカらしい発想ですね。

○「新しいエネルギー・リアリズム」(The New Energy Realism)という新しい方向性を改めて宣言したい。この新しいエネルギー・リアリズムは、米国がエネルギー分野で驚異的な進歩を遂げているという事実によるところが大きい。
イノベーションによる一連のブレークスルーのおかげで、米国はかつては可能と思われなかった幅広い範囲のエネルギー資源から抱負勝つ入手可能なエネルギーを生み出している。そしてそのエネルギーをかつてないほどよりクリーンにより効率的に使っている。これからの進歩は米国のみならず海外においても強力な示唆を与えている。
○得られる教訓は明快である。我々は、済成長と環境への配慮とのどちらかを選択する必要はない。規制よりも、イノベーションを取り込むことによって我々はこの両方の利益を得ることができる。これこそが「新しいエネルギー・リアリズム」の核心である。
○米国がエネルギーを輸出することにより、我々の友好国や同盟国は非友好国に燃料を依存する状態から解放されることになる。さらに、米国のエネルギー技術やノウハウを輸出することにより南米やアフリカ、アジアの発展途上国の国々自ら「エネルギールネッサンス」をお輿しエネルギーを地国民の生活レベルの向上により一層利用してもらうことが可能となる。この中には電力アクセスも含まれている。現在10億人以上の人々が電気のない生活を送っている。我々には数年でこの数を相当程度減らすことへの道義的責任がある。
○米国は石炭をよりクリーンにすることができるとともに我々の技術によって低排出の天然ガスを大量かつ安価に算出することが出来るため我々は引き続き化石燃料全体からの二酸化炭素排出量を削減し続けるであろう。繰り返すがこれが「新しいエネルギー・リアリズム」である。
○我々は化石燃料を捨てるのではなく、よりクリーンに利用しようという意思を有する国々とグローバルなアライアンスを組むことを歓迎したいし、米国としてそれをリードしたいと思う。
○すべての国が自らの国のためまた、世界のため、この「新しいエネルギー・リアリズム」を受け入れ、そのエンジンとなるイマジネーションとイノベーションの精神を受け入れよう。

さて,EUや日本が率先して主張している単なる削減目標を掲げることと,アメリカが進めようとしている経済成長を諦めずにイノベーションにより環境問題を解決するという主張のどちらが正しいでしょうか。日本での報道のされ方だと完全にアメリカは悪のように映りますが,中国を始めとした新興国が経済発展を続けている現状を考えると私はアメリカの主張の方が環境問題を解決するよりよい方法な気がします。また,アメリカもそれを本気で追い求める気があるようです。それが実現できた場合,経済発展の果実は確実にアメリカ経済に恩恵をもたらすし米国株のリターンにも如実に現れるでしょう。

環境問題の解決は大事。トランプ大統領はマイペースに経済成長をアピールもそもそも出席したことに注目するべき。 スイス・ダボスで世界経済フ...

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