【財務省の天下り先】10%に消費増税したばかりなのにもう次の増税の空気作り
IMF(国際通貨基金)のゲオルギエワ専務理事は「IMFの見解として(日本は)徐々に消費税率を引き上げることが有効だ」と述べました。より具体的な消費増税案として,2030年までに15%,2050年までに20%の引き上げが必要だと提言しています。
IMFと言えば国際機関の一つなのでその提言には従ったほうがゆくゆくは日本国民のためになりそうな気がしますが注意が必要です。というのもIMFの資金は日本が圧倒的に拠出しておりまたIMFのナンバー2のポジションである副専務理事という役職には4代続けて財務省のOBが就任しています。現在,副専務理事を務めているのは古澤満宏氏で,財務省で主要ポストを歴任した後に,安倍晋三(当時内閣官房参与)の特別顧問も務めた人です。別にこの人が使えないとか言うつもりはないですが,財務省は普段から国の収支バランスの改善をすることが大好きなのでIMFが今回の将来増税の提言をしているというより財務省が言わせていると考えたほうがいいでしょう。
IMF No.2の古澤氏は元財務省の官僚
なぜ財務省がわざわざIMFという組織の威を借りて増税の発言をさせるかというと増税の議論をスムーズに行わせるための空気づくりだと予想されます。日本は建前上法治国家ではありますが,法律やルールよりも実際は,場の空気で物事が決まる社会です。今回の消費増税も社会保障費や子育て支援にあたるという説明はありましたが,「じゃあ他の予算を削って財源を確保してもいいんじゃないの?」と言った深い議論が為される前に増税されてしまった感があります。増税をすると消費欲が提言するので経済にもマイナスと言う意見もあり,増税したからと言って本当に財源が確保できるのかと言ったことも議論が不十分であったと思います。
日本での意思決定プロセスは空気の醸成→判断
今後,消費税増税をさらにすすめるとしても本来であれば,議論→増税判断となるべきです。でも,それをやると話が進まなくなるのでそれを理解している(消費増税したい)財務省は,(消費増税すべきという)空気の醸成→判断という流れに持ってきたいようです。
ただ,この空気の醸成を財務省や政府が真正面からやろうとすると「まずはお前らの予算を削れ!」と真っ当なことを言われてしまうのでIMFに言わせることで空気の醸成を図りにきたのだと思われます。不思議なことに日本人は外国(特に欧米)の意見や文化はすんなり受け入れる傾向にあります。2019年にはアメリカから兵器を7,000億円分買わされたり在日米軍の費用負担を現在の1,900億円から8,700億円に増額しろとか,ふっかけられているのに不思議と大して報道されていないし,誰も文句は言いません。桜を見る会は連日大々的に報道されていますが,桜を見る会の予算は5,000万円程度で全然大したことなく,それが無駄遣いだとやるなら,米国への軍事関連予算についてもっと大々的に議論すべきでしょう。
この,日本人の意思判断は議論の内容ではなくて空気づくりが大事というのは,案外それを意識している人は少なく,実社会でもうまく使えば役に立ちます。ここら辺の詳細は山本七平氏の「空気の研究」によくまとめられているのでおすすめです。
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