これまでの中間選挙後の株価を調べてみた
米国の中間選挙が終わり事前の予想通り上院は共和党が過半数、下院は民主党が過半数の議席となりました。事前の予想通りだったことを受けて、リスク回避していた投資家が戻ってきたことにより翌日の株価は上昇しました。
一方で個人投資家は中間選挙の結果くらいでタイミング売買するのは決して行ってはいけない行為の一つであることは肝に命じておく必要があります。とはいえ、今回はねじれ発生や株価が乱高下している最中の選挙ということもあり過去の中間選挙後の株価の傾向を興味本位で調べてみました。結論から言うと、過去、中間選挙後は株価が平均16.8%上昇しているものの、相関性は低く、普通に定期購入、長期保有しているのが吉のようです。
過去の中間選挙後の株価上昇率
1946年以降の中間選挙後、1年間のS&P500の株価上昇率をグラフにすると以下のようになります。青字で示しているのが選挙前と過半数政党の変更なし、オレンジが変更ありです。全ての場合で株価は上昇しています。平均すると16.7%も中間選挙後に上昇しています。アメリカ最強です。政党の変更がないほうが株価上昇率が高いようにも見えますが果たしてそう言ってもいいのでしょうか?少し統計的に分析してみます。
CNBCより
該当期間で過半数政党の変更があったのは8回で平均株価は上昇は13.0%です。変更がない場合は10回で平均株価は上昇率は19.6%です。過半数政党の変更がないほうが、平均を見ると6.6%高いので、『過半数政党の変更がないほうが優位に株価が上昇する』と言いたいところですが物事はそう簡単には行きません。
グラフを見ればわかりますが、株価上昇率は年によって大きく違うことがわかります。全部のデータで標準偏差を取ると9.5%もあります。統計的には標準偏差の2倍くらい差があれば優位に差があるといえますが、今回の平均の差は標準偏差の60%くらいしかありません。ということで、『過半数の政党の変更があったほうが優位に株価が上昇する』というのは高い確率で誤りだということが分かります。少なくとも再現性はないことは確実です。
政治経済ニュースは楽しいのでこれからもウォッチして行きますが過度に反応するのは禁物ですね。こらからも一喜一憂せずに愚直に積立投資を行なっていきたいと思います。
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