知識はなくても投資はできるが貯蓄が出来なければ投資はできない
株式投資は,やり方さえ間違えなければ詳しい経済の知識もいらないし特別な技能もいりません。例えば,米国市場全体に投資しようと思ったら,積立NISAを利用してeMAXIS Slim米国株式【S&P500】に投資すればいいです。
最近金融庁が,老後金銭的にある程度余裕がある生活をするには2,000万円を公的年金のほかに用意したほうがいいと発表して話題になっていますが,毎年40万円を積み立てて米国株の平均年間利回りである7%で23年運用したら2,137万円になるので,誰にでも余裕で達成可能です。
積立NISAといえば,年間40万円の枠内であれば,配当金や運用益に対する税金が免除されることがメリットですが,私的には積立NISAの一番のメリットはこれまで貯蓄してこなかった人や貯蓄が苦手な人が一度積立NISAを始めたら半強制的に積み立てすることになるので,誰でも貯蓄ができることだと思っています。
私を含めた米国株ブロガーやそんなブログを熱心に読んでくれている人は多分息を吸うように貯蓄できていると思うので,年間40万円投資に回すのなんか楽勝な人がほとんどだと思います。事実私は30歳でそこまで給料が高いわけではないですが,2019年5月だけでも60万円投資に回せています。2019年6月はボーナス月なので6月-7月にかけてさらに50万円以上は投資できそうです。
貯蓄できない人は結構多い
ただ同じ給料をもらっていても貯蓄が全然できない人というのは存在します。もちろん家族がいたりしてどうしようもない部分もあるのですが,昨今の年金関係の報道などがあるのにさすがに能天気すぎるんじゃないの?と思うことも多いです。
先月記事にしましたが,大阪府の泉佐野市がふるさと納税の規制がかかる最後のキャンペーンということでamazonギフト券を大量配布するキャンペーンをしていました。(現在は終了しています。)
私はこの情報をtwitterで知ってその15分後には泉佐野市にふるさと納税しました。実質2,000円の負担でamazonギフト券が27,000円もらえてさらに返礼品がもらえるので落ちているお金を拾うようなものでした。
泉佐野市がそんなキャンペーンをしているのは一般的にはそこまで有名ではないと思ったので会社の同僚にも泉佐野市へのふるさと納税を勧めました。内容を理解したらほとんどの人が実行に移したのですが,50代の同僚ひとりだけには絶対にやらないと断固言われてしまいました。
その人は決して頑固なわけではなく,とても気さくな人でみんなから慕われています。だからこそ私というよりは私に感化された泉佐野市ふるさと納税推奨隊の同僚達が説得を試みたのですが,完全にはねつけられてしまいました。
理由を聞いたら来年の税金が安くなるとしても今年先に払うだけのお金がないというのです。(ふるさと納税は今年ふるさと納税した分に応じて次年度の税金が割り引きされる)
いくら貯蓄がないと言ってもふるさと納税なんか5-10万円くらいしか枠がないのでさすがにそれはないだろうと思ったのですが,本当にお金がないと言われてしまいました。
よくよく聞いてみると,お金が全くないというよりはあればあるだけ使いたいそうで,ボーナスもすでに全額使い道が決まっていてふるさと納税に回すキャッシュフローを捻出できないそうです。今10万円ふるさと納税すればamazonギフト券がもらえるので,お子さんのクリスマスプレゼントの足しにできるから完全に儲かるとみんなで説得してみましたがのれんに腕押しです。
でもおそらくですが,日本人の世代別貯蓄金額の統計なんかを見ると,日本の現状としてこの人がむしろ普通なんじゃないかと思います。
なぜ貯金が全くできないのか
別に貯金ができたほうが,人として偉いとかいうつもりは全くないのですが,現代社会においては貯金して株式投資したほうがほぼ確実に得と言ってもいいでしょう。(そしてその差は大きい)。多分貯蓄できない人というのは行動経済学的に割引率が非常に大きい人なんだと思います。
割引率が高い人は将来お金持ちになるよりも今あるお金を使ってしまうほうにより大きな魅力を感じる人間の経済行動学的な性格です。これは状況によっては決して間違っていることではないと思います。現代は法律により個人の財産が守られていますが,はるか昔は盗賊に襲われるかもしれないし,為政者に大部分を税金として徴収されてしまうかもしれません。略奪なんかが頻繁に起きていた時代にはあるものはすぐ使ってしまったほうが,より戦略的な行動と言えるのでそういった遺伝子を持つ人が多くいてもなんら不思議はありません。すぐに使わないでため込んでいた人は結局財産を略奪されて飢え死にしやすかったかもしれません。
貯蓄や投資して将来に備えたほうがいいというのは社会情勢が比較的安定して法律により略奪も事実上起きない現在社会での特殊な状況でのみ成り立つことであり,人類史の上では非常に稀有な状況だとも言えます。
なんだかまとまりがなくなってしまいましたが,何が言いたいかというと今後年金制度が改悪されてもうろたえないように,ふるさと納税くらいはみんなにして欲しいし,積立NISAもやって欲しいです。今後投資をしている人としない人で経済格差が非常に大きくなることが予想されます。私は投資する側でお金持ち側の人間にぜひなりたいと願っていますが,それが達成できた時に日本特有の変な空気を投資していない組に醸成されて生きづらくなるのが嫌なので,これからも積極的に周りには投資を勧めるし,ブログでも推奨していきます。投資をしていない人が少数派になれば勝ちだと思っています。
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