【孫さんの野望】Yahoo!とLINEの経営統合はGAFAへの対抗が狙い

孫正義×Yahoo!×LINEでアメリカのGAFAに勝てるのか

既に報道で話題になっていますが,Yahoo!を手掛けるZホールディングスが韓国のネイバー社が運営するLINEを経営統合するということで,今月内での合意を目指しているそうです。本件会社名がたくさん出てきて少しややこしいのですが,要はソフトバンクの孫さんがLINEを買収するということです。というのも,ヤフー株式会社の筆頭株主はソフトバンクグループだからです。LINEは韓国のネイバー社が80%の株主実質支配者であり,孫さんとネイバー社が合意すれば統合は成立する見立てです。

ヤフーはログイン数が月間5,000万人LINEは月間利用者数が8,200万人ということで,統合が実現すれば,ほぼ日本国内のネットサービスを牛耳るような巨大企業が誕生することになります。両者のサービスはネット通販、スマホ決済、金融、メディアなど多岐にわたるため日本のインターネットサービスを代表するような会社になる見込みです。

一方で,世界を見渡してみるとアメリカではGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン),中国ではBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の巨大IT企業が,さまざまなインターネットサービスを展開して席巻しています。

たかだかネット通販や,SNSじゃないかと思うかもしれませんが,人々がどのようなものを購入したり,興味を持っているかの情報を得ることはこの先とても重要になってきます。AIなどを活用してこれらのビックデータを解析することで巨大な市場を先取りできるし,場合によっては人々の欲しいもの,欲しい情報を誘導することすら可能となります。インターネットサービスを牛耳ることが出来るものがこの先の世界を支配できるといっても過言ではなく,そのために米中は貿易戦争までして5G技術の覇権争いをしています。

現状これらのIT業界はアメリカに先行されており,中国が追い越そうと頑張っているような状況です。アメリカは技術力と先行者特権,中国は14億の人口という圧倒的なマンパワーと共産党の完全なバックアップが強みです。そこに孫さん率いるソフトバンクグループは金の力と戦略で対抗しようとしているという構図です。すでにソフトバンクグループはアリババの筆頭株主であり,中国市場については一部食い込んでいる状況であり,今後日本の圧倒的なシェアを武器にどうGAFAと戦っていくかが期待されます。

孫正義さん「1番以外は嫌なんです」

孫正義さんと言えば,その圧倒的なカリスマ性で有名ですが,1番以外は嫌いということでも有名です。2018年に野球のソフトバンクが日本シリーズ2連覇を成し遂げた際のパーティーではソフトバンクがリーグでは2位だったことについて,「日本シリーズ2連覇という素晴らしい成績を収められた。ただリーグの中の2位というのは、スカッと喜びを爆発させるには残念な結果となりました。私は1番以外は嫌なんですね。性格的に2番は受け入れられないんです。これはもうしょうがないんですね、性格ですから。そういう中で来年は何が何でもまた日本一を。そして今度はシーズンを通して文句なしのチャンピオンを祈念して、ぜひぜひ応援したい。私も球団の運営の一員として、しっかりと体制をつくっていきたい。」とコメントしています。

日本シリーズで優勝した後にもかかわらず,既に終わっているリーグ戦で2位だったことに言及するなんてよほどの負けず嫌いなのだと思います。しかもこの発言は球団のスポンサーパーティーでのコメントなので空気的にはかなり読めていない状況での発言で孫さんは個人的には相当悔しかったのだと思われます。

そんな1番に強いこだわりを持つ孫さんが,日本では圧倒的なシェアを獲得できるとしても,世界では全然な状況について満足できるとは到底思えません。きっとあの手この手でGAFAや中国のネットサービス業界を支配すべくこれからどんどん行動していくでしょう。もし,GAFAに勝って世界のネットサービス業界を牛耳ることが出来たら日本にとってとんでもない国益となるでしょう。そして,株主にも大きなリターンをもたらすことが期待されます。GAFAや中国勢に勝つのは容易なことではないですが,孫さんならやってくれそうな気がします。私の投資方針とはブレてしまいますが,孫さんを応援するという意味でソフトバンクの株については今後保有してもいいかなと思います。孫さんを応援したいですし本当にGAFAに勝てたらどのくらいの利益を株主にもたらすか予想すらできません。

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