定年退職後も就労し続けると死亡率、認知機能の低下、脳卒中が抑えられる
慶応義塾大学の岡本氏らは,日本人男性を対象として,60歳以降も仕事を継続している人とそうでない人の死亡と認知機能低下、脳卒中、糖尿病のリスクを比較する研究を行いました。
研究では条件を満たした男性1288人(就労者644人と非就労者640人)について,最長で15年間の死亡、認知機能の低下、脳卒中、糖尿病の発生の有無を調べました。
結果ですが,就労者のほうが死亡した人は少なく、認知機能の低下を経験した人と、脳卒中を発症した人の割合も少なくなっていました。ただし、糖尿病発症者の割合には差がなかったそうです。
そもそも,定年後に就労していない人は就労している人に比べて定年時点で健康が悪い可能性あるため研究ではそういった調査結果に影響を与えうる因子についてちゃんと考慮した結果となっています。
また,それぞれの項目について就労によりどのくらい発生が抑えられるか検討したところ,死亡で1.9年、認知機能の低下で2.2年、脳卒中で3.4年発生が遅くなることが分かりました。
定年後に就労していたほうが様々な刺激があるので認知機能の低下が抑えられるのは直感とも一致します。生活リズムも就労していたほうがいいだろうし死亡率が下がるのもなんとなく理解できるので妥当な結果と言えるでしょう。
セミリタイアは死亡率が高まる?
この研究の結果は「仕事をすることで健康になる」ということを示している研究かと思います。では,セミリタイアするとむしろ不健康で不幸せになってしまうのでしょうか?
私は必ずしもそうではないと思います。
定年が延長したとはいえ65歳とか70歳でほとんどの人が仕事をやめます。一方で平均寿命は80歳を超えるので今回の調査のように死亡率や認知機能の低下を2~3年送らせたところで寿命には足りません。
この研究の肝としては定年後仕事するくらいのレベルで他人とのコミュニケーションをとったり,やりがいがあることに従事することで死亡率や認知機能の低下を遅らせることができるということだと思います。生涯働き続けるというのは一つの解かもしれませんが,自分の好きな趣味に没頭するというのもひとつの解だと思います。先に述べた通り,就労だけに答えを求めようとするといつか退職した後に健康を害するということになると思います。
仕事が心から楽しくて仕方がないという人はいいですが,そうではない人は若いうちから生涯打ち込めるような趣味を探すのも大事なことだと思います。
楽器演奏は年をとっても続けることができるので生涯の趣味として適しています。
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