工場労働の仕事がAIに奪われてなくなる日。日本製鉄が高炉にAIを導入。

安全管理や予兆管理はAIに徐々に置き換わっていき工場労働者がいらなくなる

日本製鐵は室蘭工場において2020年から350億円をかけて高炉をAI化する計画を発表しました。約1千個のセンサーやカメラで温度などのデータを収集し,AIで解析することで原料の燃焼の違いをシュミレーションできるようにするそうです。

日本製鉄の中田昌宏担当部長によると, ”工程によっては完全な自動化も可能” だそうです。現在はパターン化が難しい高炉の稼働も現状の配合比率や燃焼のパターンを機械学習させることで自動運転にシフトできる可能性があるそうです。

製造業の使命は安定・安全運転

製造業の仕事において最も大事なのは安定・安全運転です。そのために、様々な施策をしていますが、トラブル・事故というのはどうしても発生してしまいます。

人間がやっている以上どうしてもミスは0にはできません。私も製造業界にいるのですが,最近特に多いのは高齢者の事故です。それも,いすから落ちたとか階段からすべって骨折したとかそういった事故です。

このような事故でも立派に労災になってしまうので現場は結構ピリピリしています。ただこういった生活事故というものは完全になくすのは困難です。そして、雇用延長制度で体力の落ちている高齢者が増えるほど、事故件数も増えていくことが予想されます。

事故0を達成する唯一の方法は完全自動化

事故0を達成する唯一の方法は完全自動化です。けがをする労働者自体がいない、もしくは極端に少なければ事故は極限まで0にできるでしょう。労働災害だけでなく,運転トラブルもいくら対策してもどうしても発生してしまいます。これも人間が管理している以上どうしようもないことです。

ほとんどの製造業の現場では現場の労働者が目視で各種データを確認することでトラブルが起きないか監視しています。人間なので集中していない時があったり,夜間などは人自体が少ないのでどうしても抜け漏れが発生します。AIの監視能力が人間を超えた時,究極な話として人間の工場労働者は不要になります。そして,すでに画像認識の世界ではAIが人間を超えており,監視業務のようなパターンを見分けるような定型の仕事は近い将来AIに代替される可能性が非常に高いです。

安全というのは全ての企業の至上命題なので今後、資本力のある日本製鐵のような企業から今回のような自動制御システム化が着実に実行されていくでしょう。企業からしたら初期投資はかかるものの人件費も削減できて事故件数も抑えられるので一石二鳥です。

工場労働者が日本から消える日

そうなっていくと日本の労働人口において多くを占める工場労働者の受け口が減っていくことが容易に想像できます。都市部は他にも仕事がたくさんありますが,地方は大手企業の工場というのは非常に大きな雇用の受け皿なのでとても影響が出ます。
こういった地方密着型の企業は地方の工業高校を卒業した若者を現地採用して,基本的に定年まで一定の職場で働いてもらっています。企業としては安定的な人材確保ができるし,地方都市としては若者が地元で定年まで働いてもらえるので安定的な税収と人口の維持が期待できます。
しかし,工場労働者がAIに代替されるとこのスキームが崩壊します。若者がどんどん都市部に流入し過疎化が進行することになりそうです。

↓ついでにブログ村のバナーもクリックいただけるともっとモチベーションアップにつながります^^
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

関連広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする