アメリカの原油生産量が世界一に

米国の2018年の原油生産量が世界最大になりました。消費量ではなく生産量です。シェールオイルがけん引して10年で2倍以上に成長したためです。これにより,米国の原油輸入依存度は30%程度まで低下しました。アメリカは輸入よりも輸出が多い純輸出への転換も視野に入ってきており,今後の世界のエネルギー地政学は一変しそうです。

米国の技術革新力はやはりすごい

シェールオイルの開発は少し前までは停滞することが懸念されていました。シェールオイルの採掘には頁岩(けつがん)と呼ばれるシェール層を水で破砕するのですが,その排水処理に費用がかかるためさらに開発コストがかかり原油価格の低下で採算が取れないのではないかと言われていたためです。そのように言われていたのはせいぜい半年前の話です。その後その予想に反して技術革新により1バレル50ドル以下でも採算が取れるようになりました。現在の原油価格は60ドルを超えたあたりを推移していますので今程度の相場が続く限りはシェールオイルの開発は止まらないでしょう。ありきたりな感想ですが,こんな短期間でどんどん技術革新する米国の技術開発力はすごいです。日本も多分技術者のレベルは低くないと思いますが,ベンチャー企業では資金力がないこと,資金力のある大企業では新しいことをして失敗することを極度に恐れる文化のためうまくいかないのでしょう。

日本企業がおこぼれを預かる方法

残念ながら日本ではシェールオイルは出ません。日本海にはメタンハイドレートが出ますが海底深くの採掘はコストが大変にかかるので超えるべきハードルが高すぎです。採掘できたとしてもまた中国が領海権を主張してくるかもしれません。シェールオイル自体の利権を得ることは難しいかもしれませんが,例えば,その成分を使って化学製品を作るプラントを作るとかプラント建設がらみの仕事であれば参入できる可能性はあると思います。たとえ一つ一つの事業はあまり大きくはないとしても,いくつもやれば結構な額になるので十分メリットがあります。例えばドイツの化学メーカー大手のBASFはインドのアダニ・グループと組んで2500億円の投資をおこない,インド西部のグジャラート州に工場を新設する計画を発表しました。新工場ではインドの内需が拡大する自動車や建設など幅広い業界に向けて樹脂や塗料、アクリル繊維を製造する計画です。このような現地の企業と組んで新しい工場を立てて日本の技術力を生かすようなビジネスモデルは日本でもうまくいく可能性はあります。日本には技術力はあるけど需要がないのです。技術力がないけど需要はある海外とタッグを組めばwin-winの関係です。2500億円くらいならその気になれば日本の化学メーカー大手でも支払うことが可能なレベルです。

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