米国株を始めてからというものどうしても日本と諸外国を比較してしまうのですが,なぜこんなにも日本株と米国株でリターンの違いが生まれてしまうのでしょうか?
株のリターンというのは超単純化すると企業の利益の伸びなので,超簡単に考えると日本企業は米国企業と比較して成長していないことになります。じゃあ日本人がアメリカ人と比較して能力が低いのかと言うとそうでもない気がします。アメリカに出張したことがある人から聞く話ではあっちの人の方がよっぽど適当でいい加減だそうです。
個人の能力がそんなに変わらないとすると,何が悪いのかと言うと,集団になった時の能力の差というのが一つの解なのではないかと思います。特に日本においては,なぜか集団になると上から下まで手段と目的がいつの間にかごっちゃになってしまったり,さらに悪いケースだとそれが逆になっているケースも見受けられます。
手段と目的が逆になっているケース【チームでの会議】
会社では必要な資材を倉庫に入れて保管しているのですが,過去の不要な資材と必要な資材がごっちゃになってしまって,必要な資材をすぐに取り出すことができない問題がありました。そのため,倉庫内全ての資材を一斉に棚卸しして整理整頓をすることになりました。この場合の【目的】は「必要な資材をすぐに取り出せるようにすること」で【手段】は「倉庫の整理整頓」です。
みんなで頑張って作業して,不要な資材の廃棄および必要な資材の棚卸ができました。倉庫内にあるのは全て必要な資材です。これで終わりのはずなのですが,なぜかこれでめでたしめでたしとならず「もう金輪際、倉庫がぐちゃぐちゃにならないようにもっと資材を廃棄しよう!」と主張する人が現れました。
言いたいことは分からなくもないですが,今保管している資材は必要なものだし,棚卸作業によりもう十分なスペースが空いています。私は完全に「???」となっているのですが,15人くらいいるチームメンバーのうち「???」となっているのは私を含めて3人くらいです。なぜか,本来【手段】であることの「倉庫の整理整頓」自体が【目的】となってしまったのです。私が恐ろしく思ったのは,このことに少しでも疑問を感じていたのは15人中せいぜい3人しかいなかったことです。他の12人は手段の目的化に積極的に賛同したり,そうでなくてもその場の空気に任せようという人ばかりでした。
手段と目的が逆になっているケース【桜を見る会】
このケースは片田舎の1企業、1チームでの出来事なので大したことないですが,同じようなことが国会の場でも行われています。直近の例で言えば桜を見る会問題がそうでしょう。国会の【目的】は国の唯一の立法機関として,国民の生活を豊かにするための法を立法することです。そのための【手段】として,国会や各委員会での議論があります。桜を見る会は実際違法なのかどうかは置いておいて,どう考えても時間かけすぎです。本来必要な法律の審議の時間が失われています。本当に違法だと思うなら,検察に告発して次に進むべきです。本来の国会の【目的】である立法の仕事よりも【手段】でしかない議論が目的化しています。シュレッダーを国会議員が見に行ったり本当にアホでしかありません。国の代表機関であって,国民が決めている国会議員ですらこうなのだからもはやどうしようもありません。
明細や名簿を出してもあほな追及は終わらない。こんなツイートにいいねが5,000件近くついている残念さ。
PDCAサイクルをやっても意味がない理由
効率化の代名詞としてPDCAサイクルを回そうというのがあります。計画(Plan)を立てて,実行(Do)し,実行したことが正しかったかチェック(Check)して改善(Acition)しようというものです。PDCA→PDCAとし続けることでどんどん良くなっていくという代物です。理屈の上では確かにその通りなのですが,これまで述べてきたとおり,そもそも日本では何がPで何がDなのかの識別がなぜか集団になるとできなくなるのでPDCAサイクルではなくてPDDDサイクルみたいな変なことになります。チェックするとかアクションするとかの前の段階なのでどうしようもありません。
これは本当に不思議な現象で,どのような組織でも起こるし頭がいいとか悪いとかも関係ありません。数人のチームだとあまりこういう問題は起きないのですが,10人以上くらいに集団が増えてくるとなぜかこういう現象が見られるので日本人はそもそも集団で何か改善活動をするのは不得手なのではないかと思うくらいです。色々調べたりもしたのですが,解決策は見つかっていません。唯一の改善策はそもそも集団で行動しないということくらいです。このくらいの集団になってくると明らかに何かの空気のようなものが醸成されてくるのできっとこのあたりに根本的な原因があるのだろうとは思っていますが関わらないのが一番手っ取り早いです。
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