【行動経済学】ゆっくりお金持ちになりたい人はいない
行動経済学の考え方に「割引率」といのがあります。これは簡単に言うと人は今貰う100万円と1年後にもらう100万円の価値を同等と思わないという考え方です。古典的な経済学では金利などを考慮しない場合この二つのケースの100万の価値は同等とされており,経済学+心理学みたいな分野の話です。
例えば,誰かに100万円あげると言われたとします。一方で,今100万円を受け取るのを我慢したら1年後には200万円あげると言われたら,多くの人は後者を選ぶでしょう。
一方で,これが今の100万円に対して1年後の105万円だったらどうでしょう。今の100万円に対して1年後の101万だったら?
多分,額の差が少なくなるにつれて今貰う100万円を選ぶ人が増えるでしょう。
(100万円をくれる人は大変な資産家で1年くらいで絶対没落しないし約束も守ると心から信じられる人とします。)
単純に額で言ったら今貰うよりも1円でも多い方がお得なので全員が1年後にもらうほうを選びそうですが,実際に様々な研究において統計を取るとそうはならず,額の差が小さいほど今貰う現金を選ぶ結果が出るそうです。
この頭の中で無意識的に将来もらえる価値よりも現在の価値に重きを置く度合いを「割引率」と言います。1年後にもらえる105万円よりも今貰える100万円を優先する人の割引率は5%です。
米国株投資はこの割引率の考え方が非常に重要で,まさに今の100万円の消費を我慢することで1年後105万円になっていますよ。みたいな投資方法です。(配当金4%+キャピタル1%くらいを想定)
これをすごいと思うか,そんなちんたらしたことなんかできないと思うかは個人個人の行動経済学的な考え方の違いで異なります。多分割引率が大きい人には一生米国株投資は魅力に感じないでしょうし,割引率が低い人にはすぐにリーチするでしょう。
決して割引率が低い人が偉くて,割引率が大きい人はだめという単純な話ではありません。割引率が大きい人(今を大事にするタイプ)はそれだけ今にフォーカスしているとも言えます。割引率が低い人(将来を大事にするタイプ)は将来の安泰を重視するタイプです。とはいえ,米国株投資に向いているのは圧倒的に割引率が低い人です。
ウォーレン・バフェットが「なぜ、皆はあなたの投資戦略を真似ないのですか?」と聞かれて「ゆっくり金持ちになりたい人なんていないよ」と答えたのは有名な話ですが,行動経済学的に立証されている話です。
シーゲル流の投資法は高配当のバリュー株を長期保有するという戦略ですが,もしこの方法が人気になった場合,バリュー株の株価が上がってしまって高配当でなくなってしまう恐れがあります。そうなってしまった場合この投資方法のうまみが半減です。
しかしながら,行動経済学的に年間5%程度の利率でちんたら投資したい人というのは多くないので多分シーゲル流が世界的に主流になることは今後も含めてないと思います。
(今後意図的に割引率を操作できる方法を行動経済学者が開発しない限り)
一方で割引率が低い人で米国株投資のことを知らない人というのは日本において相当な人数いると思います。(私もかつてそうでした。)そのような人にしてみたら米国株投資はとても魅力に映るはずだと思うので,米国株投資の魅力を発信することはとても重要だと考えています。
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