世界的な低金利の状況が銀行の収益を圧迫していることを受けて日本の各銀行が口座維持手数料の導入を検討し始めているそうです。口座維持手数料というのはその名の通り口座にお金を入れているだけで発生する手数料で日本でもすでに一部の信託銀行では実装されています。
これによりこれまで日本人が抱いていた,「現金で抱えていればノーリスク」という神話は崩れる可能性があります。そもそも日本人がここまで貯金が好きなのは日本が低インフレもしくはデフレ状態が常態化しているためです。アメリカだと平均すると毎年2%程度はインフレしているので現金で持っていると実質的に損をします。下記のグラフが有名ですね。
1802年の1ドルはインフレの影響により2003年時点では0.07ドルの価値しかありません。現金で持ち続けると実質的に損をしています。
日本は長らくデフレ状態だったので現金で持っていても価値が目減りするということを感じることがなく,現状維持が大好きな国民性と相まって貯金大好きな国民性が醸成されたと言えます。ただ日本国内ではインフレしてないからと言ってもドルはインフレしているので日本国全体としての購買能力は確実に減少しています。そのため,貯金だけしているというのは国力向上という観点では正しくない行為です。
安倍政権で年率2%程度のインフレを目指して緩和政策をとっていますがあまり成果は出ていません。そのため,いまだ少なくとも日本で暮らす上では現金で持つことのリスクはないというのが日本人としての一般的な感覚だと思います。少なくとも口座のお金が目減りするということはなく,リスクを異様に嫌う日本人はこぞって貯金に依存していたわけです。ただこの口座手数料が大手銀行で実装された場合現金を預金してるだけでお金が減っていくことになります。現金はノーリスクという神話は崩れるかもしれません。
口座維持手数料が大手銀行の普通預金に導入されたら現金で持っているだけでリスクに
口座維持手数料の海外の事例
口座維持手数料が導入されたとして,どのくらいの金額になるのかは不明ですが,海外の事例が参考になる可能性はあります。
例えば,スペインでは9割の銀行が口座維持手数料を顧客から徴収しています。国内158行の平均手数料は年間18.5ユーロ(約2,400円)でこの5年で3倍に増えています。
一方で,ドイツやアメリカでは一定の入金が定期的にあれば口座維持手数料が無料になるケースが多いようです。例えばアメリカのバンクオブアメリカではひと月の間に1回250ドル以上の入金がある,あるいは常に残高が1,500ドル以上ある場合に限り月額12ドルかかる口座維持手数料が無料になります。
というわけでもし日本で口座維持手数料が導入されたとしても年間数千円,給料の振込口座などで一定の入金がある場合は無料など限定的な料金設定となる可能性が高いと思われます。
個人的には現金を預金していても経済は回らないので,日本人の1859兆円あると言われてている個人金融資産を市中に回すべく口座維持手数料を導入してもいいのかなと思います。ただ,その際は月間〇〇万円以上支出した場合は手数料が無料など経済対策になるような制度になるとよりいいと思います。
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