年金制度は瀕死の重傷!所得代替率は50%を切って生涯現役を余儀なくされる。

投資や事業をしていない人はリタイア後公的年金に頼ることになるわけですが,年金だけでは生活費を賄えないことが老後2,000万円足りない問題で取りざたされました。2,000万円であれば,弊社の場合平社員でも退職金でそのくらい貰えるのでなんとかなるのかなと思ったりもするのですが,今後の経済状況次第では2,000万円という数字は当然上下するわけです。

5年に1度,公的年金の財政検証が行われいくつかの経済ケースで年金の見通しを算出した結果が発表されます。2019年にその財政検証が発表されており,相当悲観的な結果となっています。具体的には,いくつかの経済ケースのうち年金が所得代替率を将来的に確保できたのは「経済成長と労働参加が進むケース」の時だけであり,最も楽観的なケースでも現行よりも年金給付が2割カットされるということです。年金の所得代替率とは厚生年金にフル加入時、現役世代の手取り収入の何%を年金でもらえるかという数字です。

財政検証の結果によると,現在の年金の所得代替率は61.7%ですが,経済成長や労働参加率が最も良好なパターンでも2046年には所得代替率が51.9%となり,50%ギリギリとなる見通しです。現行よりも年金給付が約2割カットされるという結果です。最も楽観的なケースでこれなので実際はもっと下振れする可能性が高いです。

さらに前提条件として「労働参加が進む」ということとしており,高齢になっても働き続けなければならないということが前提となっています。もっとも楽観的なケースでも前提となっている65~69歳の労働参加率が男性は現状の56.1%が2040年に71.6%へ、15.1ポイント上がる想定となっています。女性は現状の35.0%から54.1%へ、19.1ポイント上がっている。つまり,男性の7割以上、女性の5割以上が70歳まで働き続けたというケースですら年金は2割もカットされるということです。

さらに,最も楽観的なケースでも男性の70~75歳の労働参加率が49.1%まで高まると見込んでおり,男性の半数は75歳まで働かなければならないということです。現在の男性の健康寿命は72歳なので体が動く限りは働き続けるような社会を想定したとしても年金は現状の2割カットをやっとキープできるかどうかと言う相当悲惨な結果となっています。

もっとも楽観的なケースですらこのような状況なのですからもはや公的年金はもらえればラッキーくらいに思っておいたほうが良いです。昔は年金に頼らなければ生活できませんでしたが今はネットで投資できるのでいい世の中です。20年くらい長期投資することを前提にすれば誰でも所得代替率100%くらいのポートフォリオを組むことはできるはずです。よく「お金がないから投資できません」という人に会いますが,よくよく聞いてみると明らかに過剰な保険に加入していたり,定期預金はしていたりと現在の消費を一切我慢しなくても投資するお金を捻出できるような人ばかりです。日本にはもともと「清貧の思想」や「労働することは美徳」などの価値観がありますが,体も真っ当に動かないのに会社に居続けるのは現役世代にとっては邪魔でしかなく,「自助努力が足りないだけの人」です。年を取ってそう思われないようにするためにも少しでも金融リテラシーを高めて社会のお荷物にならないようにする必要があります。

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コメント

  1. 黒田順之助 より:

    う〜む。耳が痛い話です。
    実は私の伯母ですが住居型介護施設に
    居ます。
    かなり安くて月間13万円です。(一人分)
    夫婦だと2倍ですね。別に王族の様な
    至れり尽くせりじゃ無いですよ?
    老体の衰えを他人でカバーすると
    この位に金が要る訳です。
    70歳と言うと、こういう身体状況でも
    珍しく無いですよ。
    それなのに働けとか…w
    殆どの方はコレを理解してないだろうなぁ…