【退職金が狙われている】全ての人が金融リテラシーを高めるべき理由

退職金は証券営業マンにとって格好のカモ

会社に60歳を過ぎた再雇用の人がいるのですが,「何か投資したいな~」と言っていました。話を聞いてみるとまとまった額の退職金が入ったのでせっかくなので運用したいとのことです。弊社の場合退職金は2,000万円くらいになりますので結構な額です。その方の話を聞くと要点は大体以下の通りでした。

以前記事にした通り,お世話になった先輩が退職することになったのですが,先日その先輩と退職金の話になりました。弊社は出勤時間などを申請する...

・2,000万円くらいある
・預金で眠らせるよりは年間数10万円でもいいので運用したい
・今すぐ必要なお金ではないのでゆくゆくは子供に残してもよい

この条件で好適な投資対象は海外株でしたらいくらでもあると思います。高配当の個別銘柄にある程度分散してもいいですし,リスク回避で高配当ETFのVYMあたりに全額ぶち込んでも面白いかもしれません。VYMの利回りは2019年1月末時点で3.6%なので仮に2,000万円全額投資した場合年間50万円の配当金が入るのでその人の希望に沿います。VYMもおすすめですが,私はPFFを1番に推してみました。PFF、「i Shares米国優先株式」で高配当利回りで知られています。最近じわじわとは値下がりしていますが,特徴としてその値動きがほぼ一定であるということが挙げられます。大きな金融危機が起きない限りは大きな価格変動がなくあまり運用期間が取れない高齢者にはいいかなと思いました。そしてなんといっても利回りがすごい!2019年1月末時点で利回り8.4%もあります。しかも毎月分配金が支払われるので生活費にも使いやすいです。2,000万円を全額投資したら年間で約120万円、月々10万円程度の収入になります。あと少ししたら年金ももらえるので老後をそれなりに裕福に暮らすには十分な額でしょう。PFFは値下がりのリスクがありますが,最悪子供に残してもいいと言っていたのでその面でもリスクは小さいです。

結局PFFは買わず

残念ながらその方は結局PFFに投資はしなかったそうです。しばらくたってから聞いたら地元の銀行の人が進める投資信託に投資することにしたそうです。詳しい銘柄は教えてくれなかったですが,高利回りをうたうあたり,アクティブファンド系で毎月分配金をうたっているような類のものでしょう。ほぼ間違いなく手数料は高いでしょうし,最悪分配金を集めてそれを既存の顧客に分配しているタコ足配線型の投資信託かもしれません。その銀行のHPを見たら購入手数料2%、年間手数料が1.5%もあるような商品がスタンダードでした。手数料だけでも購入時に40万円、運営手数料で毎年30万円もかかることになります。ちなみにその銀行というのは私にローンの勧誘の電話をかけてきたのと同じ銀行であり,おそらくその方にも電話で勧誘した可能性があります。銀行なので勤務先や年齢の情報が分かるのでベストなタイミングで勧誘の電話をかけることができます。身近なところであきらかにおすすめできない投資信託に投資している人が出てしまったのは少し悲しいところです。(この手の商品は手数料が高いのとかなりの高確率で長期的には損をすることが色々なブログで紹介されています。)

銀行からローンのお誘いの電話がかかってくる 先日出張関連等の建て替えた経費の振込先にしている銀行から電話がかかってきました。こういう謎の電...

なぜ人は銀行の投資信託を買ってしまうのか

詳しい投資信託の名前を教えてくれなかったあたりおそらくその方もうすうすあまりよくない金融商品ではないことが分かっているのかもしれません。その方とは結構仲が良く雑談もよくするのでこの話の前から米国株投資については話していました。おそらく私に教えたら論破されるのがめんどくさいので教えてくれなかったのだと思います。

しかしなぜこういう方はこのような投資信託に投資してしまうのかよくよく考えてみると単純に金銭面では測れない部分があるのかなと思いました。もしPFFに投資してその後大きな金融危機が起きた場合おそらく評価額は大きく目減りします。かなりの高確率で数年以内に元の額近くには戻るでしょうが,とはいっても(一時的だとしても)評価額が大きく減少した場合ご家庭でのその方の立場は悪くなることが予想されます。なぜなら私の助言があったとはいえ自分の意志で購入を決定したからです。一方で,銀行の投資信託であればもし損失が出たとしても営業マンのせいにできます。電話で1言2言文句を言えば家庭での立場は守られます。そのような理由であったら銀行の投資信託に投資するのも一理あるのかなと思いました。とはいえ,一番いいのは夫婦二人で金融リテラシーを高めて若いうちから優良銘柄や優良ETFに積み立て投資するのが一番です。退職してから下心を出して儲けようとしてももうあまり時間もないのでどうしてもリスクが高まってしまいます。たとえ今投資に全く興味のない人であってもサラリーマンであれば基本的に退職金としてまとまった額が受け取れるはずなので銀行員にターゲットにされないように若いうちから金融リテラシーを高めるべきだと思いました。

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