富士通は社長交代で巻き返しを図れるか

個人的に気になる富士通の動向

パソコンや半導体で一時代を築いた日本の大企業富士通。最近は中国のレノボや聯華電子などに押されて徐々に業績が低迷しつつあります。2018年の売上高は4兆983億円とピークだった2001年の3/4になっています。

業績低迷に伴い,同社はここ数年事業売却や人員削減を進めており,間接部門の社員にいきなりIT技術を求めたりと人件費の高い中高年層を狙い打ったような人件費削減を推し進めています。

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海外勢に押されて業績が低迷、中高年を中心に人員削減という流れはとても他人事とは思えず,自分の会社でも将来的に起こってもおかしくないし,どの企業でも起こりうる普遍的な現象と思います。

この、「アジアなどの海外勢に押されて業績が低迷して徐々に衰退」というスキームに対して再現性のある解決策を見出している企業はどこにもないと思います。

このスキームを構築すべく富士通は3月末に時田隆仁副社長を社長に昇格する人事を発表しました。時田氏はシステム構築部門で海外のITサービス事業を統括してきた経歴の人で社長就任の際に「サービス領域を強化した体制にしたい」と述べています。

PCや半導体など現物を売る事業はどうしても価格面でアジア勢に劣ってしまうため技術力を生かしたサービス業で攻勢を計る計画のようです。

具体的にはAIやビックデータの技術を生かして顧客企業のビジネスの再設計を支援する提案型のサービス提供事業を推進していくと記者会見で述べています。

今後うまく行くかどうかに期待

私の考えではこれからの日本企業は2つの生き残りの道があると思っています。一つは海外に積極的に投資して現地で事業を行うというもので,三菱商事などは積極的に海外企業を買収しているように報道を見ていて思います。日本は人口減少していくので市場規模は衰退していくのは必至です。限られたパイを奪い合うのではなく日本企業はまだお金持ちという利点を生かして海外の企業を買収しまくってそこで得られた収益でさらに買収を推し進めるというスキームです。配当再投資に似たようなイメージですね。これなら日本が衰退しようと世界経済が成長し続ける限り安泰です。
二つ目はノウハウなどを海外に売るビジネスです。衰退産業と言われている石油化学や家電事業でも工場運営のノウハウや,環境問題への対応などソフト面で日本がこれまで培ってきて優位性を持つ領域はたくさんあると思います。特に環境技術や品質管理の技術は新興国を中心に需要があると思います。そういったソフト面のノウハウを提供するコンサルティング的な事業では日本は生き残れると思っています。

今回富士通が発表した方針転換は二つ目のノウハウの提供に分類されます。この分野であれば新興アジア企業と比較して高い技術力があるので彼らとは十分戦えると思いますが,逆にGAFAなどのガチ勢との戦いが待ち受けています。とくにアマゾンドットコムはクラウドへ大型投資を繰り返してきており,一筋縄ではいかない戦いとなりそうです。

もしかしたらPCや半導体など現物を売る事業に比べたら売上高は伸びないかもしれないですが,利益率ではノウハウの提供の方が稼げると思うので今後の同社の決算発表に注目していきたいと思います。

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