仕事のために休日はしっかり休もうという常識はいつできたのか

今年の年末年始休暇は大みそかと3ヶ日が平日だったため,大型連休だった人も多いのではないでしょうか。1/4日は金曜日でしたが,その日を有給休暇にした人はなんと9連休です。金曜日に出勤した人も偉い人の訓話を聞いたり,たまったメールや伝票を処理したりと,さほどつらくない業務の人がほとんどでしょう。金曜日の出社が嫌でも土日があることでまぁ耐えることができます。
しかし,楽しい時間はあっという間に過ぎるものでついに連休最終日の日曜日になってしまいました。今日は明日の仕事に備えて早く寝ようと思っている人や実際に早く寝る人も多いでしょう。

今年の年末年始は大みそかが月曜日,三ヶ日が月、火、水曜日であったため,カレンダー通りの勤務に人は例年よりも休みが長かったのではないでしょうか...

また,遠方に旅行に行ったり,帰省していた人は大体土曜日には家に戻ってくるケースが多いと思います。なぜかというと,休日は休日で何かと疲れるので月曜日の出勤に備えて体を休めるためです。
でも,これって少し不思議です。日曜日は本来あくまで休日なので翌日の仕事のことなんか考えないでめいっぱい遊んでもいいはずです。

フォードのオートメーション化に起源

このように,休日は人生を楽しむというより平日の仕事を集中してできるよう体調を整えるようになったのは自動車産業のフォードが起源です。フォードと言えばフォードシステムという大量生産方式を生み出し徹底的にコストダウンして成功した車メーカーです。フォード以前の車製造では未完成の車の周りを熟練工が回って組み立てていました。熟練工の移動時間を無駄に感じたフォードは逆に工員はできるだけ固定して車を動かし一人ひとりの作業を流れ作業化することで効率化を達成しました。一人一人の作業は「このねじを締める」とか「このパネルをはめ込む」のように単純なものになったため,熟練工は不要となり,教育コストも相当抑えることが可能になりました。一方で,その弊害として工員一人ひとりがきちんとルールに従って真面目に働く必要がでます。例えば工員が10人いたとして誰か一人が酔っ払った状態や満足に寝ていなくてふらふらな状態で出勤してしまったらライン全体が成り立たなくなります。誰か一人でもダメな奴がいたらラインが成立しないのがフォード型システムの欠点と言えるでしょう。フォードもこの問題点は意識していて対策をとっています。フォードシステムの画期的なことの一つとして当時としては破格の日当5ドルを支払うというものがあります。しかし支払いには条件があって年間を通じて欠勤せずまじめに働くということが条件でした。今の社畜の制度に通じるところがあります。制度を定めるだけではあまり効果がなかったのか,フォードは労働者が家に帰って飲酒したり,不摂生な生活を行うことを排除しようと監視網のシステムも編み出しました。このフォードシステムの誕生により労働者は金銭を得るために面白くない単純作業をするはめになりました。単純作業が嫌ならば違う仕事をすればいいのですが,フォードの日当5ドルというのは当時の普通の仕事の2倍くらいにも相当する給料のため単純作業を我慢して労働するというスタイルが確立されたのです。フォードシステムはその高賃金を維持できなくなりその後崩壊するのですが,悲しいことに労働時間にきちんと働くために体調管理するという常識は我々の社会に残りました。

そもそも日本は時間にルーズだった

そもそも正確な時計が普及したのは比較的最近のことであり,江戸時代以前の日本は時間に相当ルーズだったそうです。「江戸時代 時間 ルーズ」でググったらイケダハヤトさんの記事が出てきました。

江戸時代の日本人は時間にルーズだった、という意外な話

イケハヤさんも下記のように述べています。

お腹がすいたらごはんを食べて、眠くなったら寝て、話足りなければ飽きるまで話して、曜日も時間も忘れて自然に暮らすというのは、本当に豊かなことだと思うんです。

江戸時代でも現代でも100%こんな生活ができるのは地主とか暇な大名とかイケハヤさんとかに限られていたと思うのですが,少なくとも現代社会よりは庶民も時間に縛られずに生活していただろうと推測されます。現代日本はコンプライアンスが異常に厳しくなってしまった。

とはいえ現代社会ですぐに自分の好き勝手に生きるということは難しいです。でも,規定通りにきっちりと出社して面白くもない単純作業をひたすらこなすというのは決して人間本来のライフスタイルではなくフォードというお金大好きな実業家が自分の利益のために人口的に構築した一つのシステムに過ぎないということは頭の片隅にあっていいのではないでしょうか。つまり会社に行きたくないとか月曜日にもっと寝ていたいとか週休3日がいいとかいう発想は全く自然なことであり決して怠惰なわけではないということです。

同年代の方が自殺してしまった。原因は不明だがとっても怖い。 この記事は公開するか迷いましたが,会社にいると命の危険すらありうるということを...
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