ジャック・マーさんAI技術の革新で週に3回,3時間勤務にできると豪語もそのためには週6回,12時間働かなければいけない模様

働き方改革が先かAIが先か【996労働】

中国ネット通販最大手,アリババ集団の創業者の馬雲(ジャック・マー)氏とソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が東京大学が主催したイベントで対談しました。マー氏は対談上で「AIの普及で週3日、3時間働けばよい社会が訪れる」と語り,孫さんもこれまでは人が機械のように働いてきたが,AIの普及により「機械が人のように働く時代がくる」と述べました。

孫さんはAIの発展のために,900億ドルの投資をこれまでしており,さらなる投資の計画もあるそうでAI技術がいかに将来性があるかを強調したいのでしょう。ジャック・マーの言うように週3日,3時間、つまり週に9時間だけ働けばいい社会が来たら最高ですが私はそんな未来は残念ながら絶対に訪れないと思います。

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アリババのブラック労働

アリババはソフトバンクが株式の32.59%を出資しているため,ジャック・マー氏は当然のようにソフトバンクのポジショントークを支持するような発言をします。AIの技術革新はともかくとして,ジャック・マー氏が率いてきたアリババは超過重労働の企業です。労働時間に関してはブラック企業だといっても過言ではないでしょう。

というのもジャック・マー氏は会長時代に「996システム」を導入しなければ中国経済は「活力と推進力を失うだろう。」と述べています。「996システム」とは「朝の9時から夜の9時までの労働を週6でする。」という意味です。さらに,「996システム」で働く機会は「恵み」だとも発言しています。「週6日、12時間」働くべきと主張していた人間が「週3日、3時間」働けばいいとなるのはもはや見事なポジショントークぶりでさすがといってもいいでしょう。「週3日、3時間」働けばいいのであれば30年はたらいてもたったの13,000時間労働であり,「週6日、12時間」働いた場合たったの4年で達成することになります。

そもそも,中国の労働法では毎週の平均労働時間は44時間を超えないこととされており,996システムは単純計算で労働法違反です。また,文章だけを見ると中国の労働法はとてもホワイトで天国のような制度です。ただ,残念ながら制度だけあって一切守られていないそうです。

中国の労働法

①毎日の労働時間は1日8時間を超えず、毎週の平均労働時間は44時間を超えない。
②毎週1日の休息日を保証する。
③最大残業時間は1日3時間を超えてはならず、毎月36時間を超えてはならない。
④残業代は時給の150%以上を支払う必要があり、休息日の残業は時給の200%以上を支払う必要がある。また、法定休暇日の残業は時給の300%以上を支払う必要がある。

AIにより仕事の効率化はすすむが,決して労働時間の短縮にはつながらない

AIの仕事により今の仕事の大部分は自動化できる可能性はあります。例えばデータ入力の仕事や解析、医者の画像診断は最終的には人間の目での確認は必要ですがすでにAI化されつつあります。じゃあ週3勤務になるかといったら絶対にならないでしょう。空いた時間使ってそのほかの仕事をすることに絶対なります。それがより付加価値を生むような仕事なら良いですが日本で仕事を効率化しても無駄な仕事が増えるだけです。

私の周りにも無駄な会議,いらない役職,無駄な書類に溢れており,これらを本当になくしたら人によっては週3、3時間労働を達成することができるでしょうが,まず無駄が省かれることはないし,もし省かれても別の無駄な仕事が増えるだけな気がします。労働時間の短縮みたいな話は内容がとても魅力的なので耳目を集めがちですが,ジャック・マー氏は少なくとも労働時間に間してはコロコロ発言が変わるような人なのであまり鵜呑みにしないほうが賢明でしょう。もし本当に時短勤務をしたいのであれば,副収入を得るなどして自分で働き方改革をすべきです。

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