ロボットの導入で経費削減しても,雇用が失われ消費が落ち込む?
世界的な金利の低下により,銀行の収益が悪化しています。世界でも大手であるドイツ銀行は住宅ローン証券の不正販売問題などもあり,破綻の話まで出ていました。世界15位の資産額を誇るドイツ銀行が倒産したら世界経済に与える影響は甚大であり,景気後退突入の懸念があります。銀行の収益低迷や人員削減はドイツ銀行だけでなく,各行に及びます。
・ドイツ銀行:18,000人を2020年までに削減。
・シティグループ:数万人規模の削減を予定。
・HSBC:4,000人削減。
・バークレイズ:3,000人削減。
・ソシエテジェネラル:1,600人削減。
・クレディ・スイス:当面採用凍結を発表。
ただ,人をリストラしてもその分生産性を上げないといけないわけで,ドイツ銀行ではロボッを活用しているそうです。ロボットと言っても最近はやりの機械学習を用いたAIのようで,同行の発表では,これまでに,コーポレート・バンキングの500万件の取引の処理を実施や投資銀行部門の340万件のチェックを機械学習ツールが実施することで,人間の労働時間68万時間におよぶ節約が出来たそうです。一人当たりの通常勤務時間を年間1,920時間(1日8時間×240日)とすると,354人分の削減です。
世界的に銀行は人員削減化の流れ
この業務自動化の流れは,米国の銀行にもおよんでいます。米国の銀行がテクノロジーに投じるお金は年間1,500億ドルにもおよび,AI化で、アメリカの銀行業界は「今後10年で約20万人がリストラされ、金融史上最大の労働から資本への移転が起こる」と、Wells Fargo銀行アナリストのMike Mayo氏が発表しています。また,同氏は,職を失う人は「全行員の1割」で、「バンキング業務効率化の黄金時代がやってくる」とも話しています。
人員削減されるのは主に顧客対応窓口、コールセンター、支店で、それぞれ20~30%がカットになって、高性能なATM、チャットボットに置き換えられて、投資判断もビッグデータとクラウド処理で行えるようになる可能性があるそうです。
業務の自動化で銀行の倒産が防げることは良いことですが,その代わりに雇用が失われて消費が低迷し経済が低迷したら株価も低迷してしまうかもしれません。そのためこの自動化の流れは少し危惧すべき流れかと思います。銀行だけであれば大した影響はないかもしれませんが,その他の業種にも波及して言った場合GDPのうち国内消費が多くを占める日本やアメリカでは影響が現れてくる可能性があります。実際,ユニクロでは物流機器大手のダイフクなどとパートナーシップを結び,今後3~5年のうちにユニクロの物流倉庫を完全自動化することを目指すことを発表しています。実際9割の人員削減に成功した倉庫もあるそうです。
AIが人間の仕事をしてくれる分,人間はもっとクリエイティブな仕事に向ける時間が増えるとも言われていますが,世の中そんなにクリエイティブな人間ばかりではありません。むしろ,倉庫作業のような単純業務がロボットに奪われてしまうと職にあぶれてしまう人も多いでしょう。世の中そんなに優秀な人ばかりではありません。老後2,000万円問題もいまはその分働けばいいくらい人手不足な世の中ですが,そんな状況も永遠に続く保証はなく,個人個人がきちんと自己責任で資産形成していく必要があるでしょう。
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