先輩に引き続き同期社員も次々に転職
先日悲しいお知らせが入ってきました。今現在,同期入社の人が営業所に10人くらいいるのですが,そのうちの2人が退職するというものです。くしくもお世話になっている先輩も同時期に会社をやめるため私の周りで3人も一挙に会社を退社することになります。
同期のうちの1人の転職先はなんと私が転職候補として転職活動していた企業でした。なんとも縁を感じます。私は残念ながら不合格でしたが,見込み年収が打診されるくらいまでは選考を進むことができました。見事に合格した彼は年収が100万円~200万円くらい上がる見込みです。超うらやましい。
やめる時にすごい誓約書を書かされるらしい
今回退職する同期から聞いたのですが,辞意を伝える際に誓約書を書くらしいです。内容ですが,
・会社で見聞きした秘密情報は外部に漏らさない
・転職活動を斡旋しない
というものです。1つ目に関してはわざわざ誓約書を書くまでもなく当たり前でのことであると思いますが,2つ目に関してはとてもびっくりしました。わざわざそんなことを誓約させられるなんて驚きです。少し深読みしすぎかもしれませんが,自分の会社よりも他社のほうが優れていると暗に認めていることの裏返しのようにも思えなくもありません。この条文は他社でも一般的なのでしょうかね?「斡旋」というのがどこまでを指すのか明示されていないのでそもそも誓約書として機能していないのですが,日本で人材の流動性が悪いのはこういうところにも原因があるのかもしれません。
今回のことで学んだこと2つあります
同期が退職するのは残念ですが,会社への不満が自分に向かってしまいうつ病になってしまうとかよりは全然いいと思います。実際,うつ状態になってしまって退社した人も社内にいたのでその点は安心しています。今回思ったことは以下の2点です。
人材の流動性が上がってきているのかもしれない
最近めっきり影の薄いアベノミクスですが,アベノミクスの金融緩和政策をざっくりいうと量的緩和によりインフレ期待度を上げ,賃金上昇圧力を高めることで賃金が上昇、消費が活性化されて経済全体が活性化する。というマクロ経済的モデルに準拠しているものです。賃金が上昇すると副次的に人材の流動性も高まります。なぜなら,賃金上昇は会社によってまちまちなので,より労働者に有利な賃金を提供できる企業の人気が相対的に高まるからです。実際アルバイトの時給はそのおかげで上昇しておりアルバイトの人手不足も叫ばれています。一方で,正社員のほうの給料はなかなか上がっておらず,人材の流動性も変わっていないように思えます。今回私のまわりで辞めていく3人のうち2人(1人とはまだ話せていない)は共通して「今は転職しようと思ったら簡単にできる」と言っていました。このような発言が出る背景としては人材の流動性が正社員についても高まっている(高まりつつある)ことを示唆しているのではないかと思っています。一般的にアルバイトと違い正社員の場合は辞めることにコストがかかるので人材の流動性の上昇に時間がかかると言われています。(アルバイトなら時給が10円差があるくらいでも応募者に差がでますが,正社員であれば給料が10円高いからと言って転職しないですよね。)
転職者が続出するのはアベノミクスが少しずつ顕在化してきていることを示唆しているのではないかと少し好意的にとらえています。実際,同期の給料は先に述べたように確実に上昇します。正社員でも給料が100万円あがるのでしたらそれが転職理由になりうると思います。アルバイトは求人が集まらないので時給がどんどん上がっていますが,正社員についても人材の流出を避けるため賃金上昇圧力が今後高まっていくことに期待したいと思います。この点は日本経済全体としては好意的ですが,一方で弊社は人材が流出する側の企業であることを示していることかと思いますのでミクロ的には危惧しています。
転職市場の価値はやはり需要と供給で決まる
今回くしくも同じ会社を受けて私は不合格、同期は合格というまさに対極の結果となりました。能力面ではそんなに変わらないと(自分では)思っています。ただ圧倒的に違うのは職種の需要と供給のバランス差です。私の職種よりも同期の職種のほうが,需要に対して供給が圧倒的に少なく,超売り手市場です。これは客観的にも求人サイトの求人数で10倍以上異なることから確認できます。新卒で就職活動していた時はあまり気にしていませんでしたが,ある人の人材としての価値は以下の式で決まるのだと思います。
人材価値=本人の能力×職種の需要×景気
転職しようと思った場合多くの人が「本人の能力」を上げることにフォーカスすると思います。それ自体はいいことだと思いますが,今回のことから職種としての需要についてももっとケアしてもいいのかなと思っています。今から職種を変えるなんて考えられないし方法もないよ!と思うかもしれませんが,改めて考えてみると異動するとか自分で勉強するとか方法は結構あります。私の場合でも現在の職種からつぶしがきいてかつ世間一般に需要がある職種があります。2019年はそういった面にもフォーカスして生きていきたいと思っています。
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