N高等学校に投資部が設部もとても残念な理由

N高等学校の投資部は主旨は良いけど投資先がなぜか日本の個別株限定

N高等学校は角川ドワンゴ学園が2016年4月1日に開校した通信制の高等学校で,ドワンゴの社長・会長だった川上量生氏が理事を務めています。

通学コースも存在していますが,授業やレポート提出はインターネットを通じて行われ,学校行事として,ドワンゴが主催するニコニコ超会議、ニコニコ町会議、ニコニコ超パーティ、闘会議と連携したN高文化祭など催しを実施しています。

2019年7月現在の生徒数は10,695名で,学校の理念は「常識を変えて、世界を変える。」となっています。

そんなN高等学校ですが,村上世彰氏を特別顧問として,「N高投資部」を設立したと発表しました。名前といい,イメージ画像といい完全に「インベスターZ」です。

部員は村上財団から提供された20万円を元手に運用し,最終結果報告月に利益が出た場合,差額は部員の物となります。損失が出た場合は損失額を返済する必要はなく「完全にノーリスク」な条件となっています。

また,部員は村上氏から投資方針について直接フィードバックを受けることが出来たり,統計の授業を受講できるなど特典もあります。

この制度自体はとてもいいと思うのですが,なぜか投資先は限定されており,しかも「東京証券取引所上場銘柄の個別株」となっています。

日本株がクソというのはとりあえず置いておいて,そもそも20万円では残念ながら多くの日本企業の株を買うことができません。ご存知のように日本株は単元枚数というのが設定されていて,通常の方法ではそれ以下の枚数を買うことができず,一部証券会社のサービスである「ミニ株」などを利用するしかありません。

現在東京証券取引所で取り扱われている時価総額トップ企業はトヨタ自動車ですが,株価が6,853円、最小単元は100株となっており,60万円以上のお金が最低必要です。時価総額2位のソフトバンクグループも最小の取引額は49万円となっており,時価総額トップ50のうち,20万円で購入できるのはわずか10社しかありません。その10社には不祥事を起こした日本郵政や日産自動車のようなすでに終わってしまった銘柄も含まれます。

部員はトヨタや東京エレクトロンのように継続的に利益を出しているまだ投資する余地のある優良銘柄ではなく,よく分からない中小銘柄に投資して儲けを出さなければいけないことになります。また,最近大企業でも業績が軒並み下向く中でより逆風が吹き荒れると思われるそれらの中小銘柄に投資しても儲けを出すことのできる人はわずかであり,投資部の主旨には賛同できるものの活動前からすでにオワコンの部活となっているような気がします。

高校生であれば思考停止してインデックスファンドに投資していればOK

部員の一人である3年生の石塚尊さん(17)によると「いずれ年金はもらえなくなるだろう。2,000万円では絶対に足りない、普通の生活で良い、豊かでなくとも言い、ただお金の稼ぎ方を学びたかった。」と入部した理由を話しています。

石塚さんは17歳という若さを生かしてインデックスファンドに投資すれば本人の希望通り,超お金持ちにはなれなくても老後資金に困ることはないでしょう。S&P500のこの30年間の平均リターンは11.6%であり,今回村上さんから貸与された20万円を60歳になるまでの43年間複利運用すれば2,008万円になり老後2,000万円問題は解決です。

彼は2,000万円では足りないと将来の情勢を悲観視していますので,プラスで年間いくらか投資に回せば十分でしょう。追加で年間10万円でも投資したら,60歳時点で1億580万円になります。インフレを考慮すると実際の価値としては下がるでしょうが,60歳時点で1億円が見込めるなら悲観的な石塚さんも十分だと思ってくれるに違いありません。

ただ,現在N高等学校が縛りをかけている「東京証券取引所上場銘柄の個別株」では年率11.6%という成績を長期に上回るのは絶対にできません。多分今後の展開としては,投資部の生徒は実際に日本株を取引きする中でそのことに気づき,自分でネットなり書店で海外株についてを知って海外株にシフトしていくと思われます。気づくのに1年か2年くらいかかったとしてもまだまだ10台なので複利効果をものすごく有効に活用することが出来,彼ら投資部部員未来は明るいでしょう。

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