2020年初めての取引となる6日の大発会で日経平均株価は451円76銭(1.91%)安の2万3204円86銭で終えました。アメリカ軍によるイランのソレイマニ司令官殺害をめぐり,両国の対立が激化するとの懸念から運用リスクを回避する目的の売りが膨らんだとみられています。
不思議なのは当事国であるアメリカの株価はこの対立によりほとんどマイナスになっていません。それどころか,S&P500については昨年末の3,229ポイントに対して,1月6日は3,234ポイントとむしろ上昇しているくらいです。
日本はアメリカと同盟国とはいえ今回の軍事衝突とはほとんど関係がありません。当事国のアメリカの株価は上がっていて,関係のない日本の株価は下がるなんてとばっちりもいいところです。日本株を保有している人はもちろんですが,日本国民全員が加入している年金の一部は日本株で運用されており,株価の動向は決して他人ごとではありません。今回の軍事衝突が発展しもし戦争が起きたら株価がどうなるのかということは日本人であれば誰でもが関係することです。
先日記事にした,アメリカとイランの戦争勃発で米国株はさらなる拡大を見せるかでも紹介しましたが,アメリカの株価は長期的には戦争によりむしろ上がっています。しかもこれは縦軸が対数目盛なので,見た目以上にものすごく上がっています。株の値動きは様々な要因が絡むので戦争が起きたから株価が上昇したとは一概には言えないですが,戦争により軍事用品の需要が発生し経済にプラスに働いているということはできるでしょう。
さて,問題は日本株への影響です。今回の軍事衝突ではとりあえず短期的にはマイナス451円と過去5カ月ぶりとなる下げ幅を記録しました。この後長期的には日本の株価はどうなるのでしょうか?
日経平均株価の長期チャートとアメリカが介入した主な戦争とタイミングを比較してみます。イラク戦争の時は若干上昇していますが,アフガニスタン紛争,湾岸戦争の際は株価は大幅に下落しています。湾岸戦争の時はちょうどバブル崩壊の時だったので単純に比較できませんが,少なくともアメリカで戦争が起きたからと言って日本の株価は上昇するわけではないことが分かります。
むしろ,戦争の勃発の懸念から安全資産と思われている円に買い入り円高となり,結果として日経平均が下がる可能性があります。日経平均の構成銘柄は輸出企業の割合が多く円高により収益が悪化するという見立てがされる可能性があるためです。
オリンピックイヤーの2020年は日本株が上昇する可能性がありましたが,今回のイランとアメリカの軍事衝突により雲行きが悪くなりました。今日本株に投資しようか迷っている人は素直に戦争が起きようが指数関数的に上昇していくアメリカ株に乗り換えたほうが無難でしょう。
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